目の下の窪みとヒアルロン酸注入の効果とは
年齢とともに気になり始める「目の下の窪み」は、見た目の印象を大きく左右し、疲れた印象や老けた印象を与えがちです。近年では、ヒアルロン酸注入によってこの窪みを手軽かつ短時間で改善できるようになり、多くのクリニックで施術が行われています。
本記事では、美容皮膚科医の立場から「目の下の窪みに対するヒアルロン酸治療」のポイントやメリット・デメリット、施術の流れなどを詳しく解説します。
目の下の窪みが生じる主な原因
1 加齢による脂肪組織・骨の萎縮
年齢を重ねると皮下脂肪や骨量が少しずつ減少し、顔全体のボリュームが落ちます。その結果、皮膚が支えを失い、目の下が窪んでしまいます。
2 クマ・たるみの影響
目の下の血行不良やたるみによって生じるクマがあると陰影が強調され、窪みが目立ちやすくなります。
3 肌弾力の低下
コラーゲンやエラスチンが減り、皮膚の弾力が失われることで、目の下に溝ができやすくなります。

ヒアルロン酸注入で期待できる効果
1 即効性のあるボリュームアップ
ヒアルロン酸はもともと体内にも存在する保湿成分で、注入後すぐに目の下の窪みにボリュームを持たせることができます。
2 自然な仕上がり
適切な層に正しい量を注入することで、凸凹感が出にくく自然に若々しい目元へ導きます。
3 ダウンタイムが少ない
メスを使わない注射での治療のため、施術時間も短く、腫れや赤みなどのダウンタイムも比較的少なく済みます。
4 クマ・たるみが目立ちにくくなる
窪みによって生まれていた影が軽減されるため、クマやたるみの印象も軽減されます。
メリット・デメリットについて
メリット
● 短時間で施術が完了
目の下へのヒアルロン酸注入は10~15分程度で終了し、忙しい方でも受けやすい施術です。
● ダウンタイムが比較的短い
症例によりますが、数日程度で気にならなくなるケースが多く、日常生活への影響も最小限です。
● 修正が比較的容易
万一仕上がりが気になる場合もヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)を用いて調整が可能です。
デメリット
● 注入法によっては効果が長続きしない
ヒアルロン酸は体内に吸収されるため、徐々にボリュームが減少し、定期的なメンテナンスが必要となる場合があります。注入法によっては数年持つことができます。
● 内出血・腫れのリスク
個人差はありますが、血管を傷つけてしまうと内出血が出たり腫れることがあります。
● 過剰注入による不自然さ
過剰にヒアルロン酸を注入すると逆に不自然なふくらみが出るリスクがあるため、医師の技術と経験が重要です。

施術の流れ
1 カウンセリング・診療
まずは医師が目の下の状態を診察し、クマの状態や皮膚のたるみ、骨格バランスを総合的に判断して注入方法を決定します。
2 施術前の準備
メイクオフや消毒を行い、注射箇所をマーキングします。必要に応じて局所麻酔クリームを使用します。
3 ヒアルロン酸注入
カニューレや極細針を使用し、少しずつヒアルロン酸を注入していきます。痛みを感じにくくするためのテクニックを用いるクリニックも多く、施術自体は短時間で終了します。
4 仕上がりの確認
注入後、形や左右差を確認し、必要に応じて微調整を行います。
5 アフターケア
内出血や腫れを抑えるため、クーリングやクリニック独自のケアを行うこともあります。施術後は激しい運動や飲酒を控えるなど、医師の指示に従ってケアを行います。

施術後のダウンタイムと注意点
● 軽度の腫れや内出血
数日から2週間程でおさまることが多いですが、個人差があります。
● 定期的なメンテナンス
ヒアルロン酸の効果が減少してくると再度注入を検討する必要があります。
● 顔のマッサージ・圧迫に注意
施術直後は過度なマッサージや圧迫を避けるようにしましょう。注入したヒアルロン酸が偏ってしまう恐れがあります。
料金相場と通院の目安
クリニックや使用するヒアルロン酸製剤の種類によって異なりますが、目の下のヒアルロン酸注入は1本(1cc)あたり5万円~10万円程度が相場です。通常は1回の施術で十分なボリュームが出せるケースが多いですが、個人差によっては追加が必要となる場合もあります。
まとめ:専門医の診察で安心・安全な施術を
「目の下の窪みに対するヒアルロン酸治療」は即効性の高いボリュームアップにより、若々しい印象を取り戻すうえで非常に有効です。しかし、仕上がりや安全性は医師の技量や使用する製剤に左右されるため、実績のあるクリニックや専門医によるカウンセリングが欠かせません。
● 自分の骨格や皮膚の状態にあった施術方法を提案してくれる
● 施術前後のリスクやダウンタイムについて丁寧に説明してくれる
こうした点を重視してクリニックを選ぶことで、より満足度の高い結果が得られます。気になる方は是非一度専門医へご相談ください。