「ヒアルロン酸=硬いジェルをシワに埋めるもの」というイメージから、「もっと自然に艶とハリを出したい」「ダウンタイムは最小限に」というニーズが増えています。そこで脚光を浴びているのが架橋剤を使わずに作られた 非架橋ヒアルロン酸です。水のようにさらりと拡散し、コラーゲン再生まで促す点が、敏感な目元や首など動く部位に最適です。
今回はこの非架橋ヒアルロン酸について解説していきます。

「架橋」と「非架橋」構造の違い
架橋ヒアルロン酸
・分子構造:架橋剤で網目状に固定
・テクスチャー:ゲル状で形を保つ
・主な用途:鼻・顎形成、深いシワ充填
・代謝速度:6~24ヶ月
非架橋ヒアルロン酸
・分子構造:架橋剤ゼロ、水状
・テクスチャー:液状で拡散性が高い
・主な用途:水光注射、スキンブースター、スネコス
・代謝速度:約2 か月で分解(ただし自己コラーゲン再生が続く)

期待できる三つの美肌効果
1.真皮の水分補給
純粋ヒアルロン酸が角層から蒸散する水分を抱え込み、肌表面のきめ・艶を底上げ
2.線維芽細胞の活性化
微小な針跡刺激+ヒアルロン酸で真皮が「傷を治そう」と働き、コラーゲンとエラスチンの生成がアップ
3.薬剤ブレンドの自由度
ビタミン・アミノ酸・ミネラルを同時に導入できるため、光る肌づくりのメソセラピー製剤が次々登場(例:スネコス、リデンシティⅠ/Ⅱ)
代表的な製剤と適応部位
スネコス®
・特徴:非架橋ヒアルロン酸+6種アミノ酸。肌質改善に特化。
・おすすめ部位:目の下クマ、首シワ、手背
ジュビダーム スキンブースター系
・特徴:低分子の非架橋に近い設計。潤いとツヤを付与
・おすすめ部位:全顔の水光注射
リデンシティⅠ/Ⅱ
・特徴:非架橋中心+抗酸化成分。色ムラ・小ジワ改善
・おすすめ部位:目周り〜口周りの浅いシワ
治療プロトコルと持続期間
● 注入法:極細34G針で0.01 ccずつ浅層真皮へ。表面麻酔とクーリングで痛みはチクッとする程度。
● 推奨回数:初期は2〜3 回を2週間〜1 か月間隔。その後は4〜6 か月ごとにメンテナンス。
● ダウンタイム:蚊に刺されたような隆起が3〜4 日、化粧でカバー可能。
● 効果持続:ヒアルロン酸自体は約8週で分解されるが、自己コラーゲンの“貯金効果”が積み重なり、 半年以上ハリを保つ症例が多い。
安全性とリスク
1・アレルギー反応
・実際のリスク:ヒアルロン酸自体は生体同一で極めて稀
・回避策:添加アミノ酸にアレルギー歴がないか問診
2.不自然な膨らみ
・実際のリスク:流動性が高いので団子になりにくい
・回避策:医師の層選択と微量注入
3.血管塞栓
・実際のリスク:架橋型より粘性が低くリスクは低めだがゼロではない
・回避策:カニューレ併用・逆血確認

ユーザーインサイト:こんな方にベストマッチ
●「注入したと悟られたくない」
皮膚内に均一に広がるため、仕上がりは“素肌が良くなった”レベルの自然さ
●「ヒアルロン酸で重く見えるのが怖い」
水分保持メインでボリューム増大目的ではないので、ふくらみ過ぎの心配が少ない。
●「毛穴・ちりめんジワ・くすみを一度に改善したい」
表層〜中間層をまんべんなく潤すことで光の反射が均一になり、写真映えする“ツヤ玉”肌へ。
クリニック選びのポイント
1.架橋型と非架橋型を両方扱う医師
目的に合わせた製剤選択ができるかが仕上がりを左右。
2.針・カニューレ・水光ガンなどデバイスの選択肢
目周りはカニューレ、広範囲は水光など部位別に使い分けているか確認。
3.重症例ほど併用プラン提案力
たるみが強い場合はHIFUや糸リフトと組み合わせた総合プランで時短&相乗効果。
まとめ
非架橋ヒアルロン酸とは、「皮内をうるおいで満たし、肌そのものを再生する液状ヒアルロン酸」です。短期的には瑞々しい艶、長期的にはコラーゲン増生によるハリ向上を狙えるため、「自然だけど確実に若返りたい」現代女性のニーズにぴったりです。
まずは信頼できる医師の診察で、自分のライフスタイルや肌悩みに合う治療スケジュールを組んでもらいましょう。