ほうれい線にグロースファクターは効果ある?ヒアルロン酸との違い・デメリットまで皮膚科医が解説

「ほうれい線にグロースファクターが効くと聞いたけれど、本当?」
「ヒアルロン酸と何が違うの?」
「膨らみすぎたり、しこりになったりしない?」

こんにちは。しのぶ皮膚科院長の蘇原しのぶです。

ほうれい線治療を調べていると、「グロースファクター(成長因子)」という治療を目にすることがあります。

ヒアルロン酸のように注射で行う治療ですが、両者は同じものではありません。

グロースファクターを用いた治療では、成長因子を利用して組織の変化を促すことを目的とします。
一方、ヒアルロン酸は製剤そのものによってボリュームや支えを作る治療です。

どちらが優れているという話ではなく、ほうれい線の原因と、どのような変化を求めているのかによって治療を考える必要があります。

今回は、ほうれい線に対するグロースファクター治療の特徴から、メリット・デメリット、ヒアルロン酸との違いまで詳しく解説します。

そもそもグロースファクターとは?

グロースファクターとは、日本語で「成長因子」と呼ばれる、細胞の増殖や組織の修復などに関わるタンパク質の総称です。

美容医療で「グロースファクター治療」と呼ばれているものにはさまざまな方法があり、FGF(線維芽細胞増殖因子)などを利用する治療があります。
そのため、「グロースファクター」という名前だけで、すべて同じ治療だと思わないことが大切です。

どの成分を、どの濃度で、どのような方法で使用するのかによって治療内容は異なります。

治療を検討するときには、「グロースファクターだから良さそう」と判断するのではなく、具体的に何を注入する治療なのかを医師に確認しましょう。

ほうれい線はなぜ深くなる?

ほうれい線は、鼻の横から口角方向へ伸びる溝で、「鼻唇溝」とも呼ばれます。

「皮膚に深いシワができた」と思われがちですが、原因は皮膚だけではありません。

加齢によって、皮膚のハリや弾力が低下する、頬の脂肪の位置やボリュームが変化する、骨格の支えが変化する、靭帯など顔を支える組織が変化する、頬が下垂して口元との段差が強くなる、といった複数の変化が重なり、ほうれい線が目立つようになります。

さらに、もともとの骨格や脂肪量、表情の動きによって、若い頃からほうれい線が目立つ方もいます。

つまり「ほうれい線」という同じ症状でも、原因は一人ひとり違うのです。

グロースファクターはほうれい線にどう働く?

グロースファクター治療では、注入部位の組織に働きかけ、コラーゲン産生などの変化を促すことで、ハリやくぼみの改善を目指します。

そのため、皮膚のハリ低下や組織のボリューム不足などが関係しているほうれい線では、改善が期待できる場合があります。

ただし、ここで注意してほしいのが、「グロースファクターを入れれば、どんなほうれい線でも消える」わけではないということです。

例えば、頬の下垂が非常に強い場合や骨格の支えの変化が大きい場合には、ほうれい線だけに注入しても十分な改善が得られない可能性があります。

ほうれい線そのものだけではなく、顔全体を診断することが大切です。

グロースファクターとヒアルロン酸は何が違う?

患者様から非常によく聞かれる質問です。

ヒアルロン酸注入は、ヒアルロン酸製剤によって失われたボリュームを補ったり、骨格を支えたり、輪郭を整えたりする治療です。

注入直後から形の変化を確認しやすく、製剤の種類や注入位置を使い分けることで、顔全体の立体構造をデザインできることが大きな特徴です。

一方、グロースファクターは、組織の反応を利用して徐々に変化を促す治療です。

つまり、「製剤で直接、形や支えを作る」のがヒアルロン酸。
「組織に働きかけて変化を促す」のがグロースファクター。

この違いを理解するとわかりやすいと思います。

グロースファクターのメリットは?

グロースファクター治療の魅力として挙げられるのは、ヒアルロン酸のように製剤のボリュームだけで溝を埋めるのではなく、自身の組織反応を利用した改善を目指せる点です。

また、注射による治療のため、外科手術と比較すると身体への負担やダウンタイムを抑えやすいという特徴もあります。

ただし、効果の現れ方や持続には個人差があります。

「一度受ければ永久にほうれい線がなくなる」と考えるのではなく、その後も加齢による顔の変化は続くことを理解しておきましょう。

デメリットやリスクは?「膨らみすぎ」が心配

グロースファクターについて検索すると、「膨らみすぎた」、「しこりになった」、「失敗した」、といった言葉を見て不安になる方もいるでしょう。

グロースファクターは、ヒアルロン酸のように注入した製剤そのものの形をその場で確認する治療とは異なり、注入後に生じる組織反応には個人差があります。

そのため、過剰な組織増生や凹凸、左右差など、期待していた以上の変化が生じる可能性について理解しておく必要があります。

そして非常に重要なのが、ヒアルロン酸との「修正方法の違い」です。

ヒアルロン酸の場合、使用製剤や状況にもよりますが、ヒアルロニダーゼによって分解するという選択肢があります。

一方、グロースファクターによって生じた自身の組織変化は、同じように溶解剤を注射して元に戻せるものではありません。

だからこそ、安易に治療を決めず、メリットだけでなくリスクや修正の難しさまで説明を受けてから判断することが重要です。

ほうれい線ならグロースファクターとヒアルロン酸、どちらを選ぶ?

私は「ほうれい線があるから、この治療」と最初から決めることはおすすめしません。

なぜなら、ほうれい線は顔全体の構造変化の「結果」として現れていることが多いからです。

例えば、頬や上顎周辺の支えが不足している方では、ほうれい線の溝だけを埋めるより、ヒアルロン酸で顔全体の支えを整えたほうが自然に見えることがあります。

一方で、皮膚のハリや組織の状態などによっては、別の治療が選択肢になる場合もあります。

大切なのは治療名ではなく、「なぜ自分のほうれい線ができているのか」を診断することです。

当院がほうれい線治療で大切にしていること

私はほうれい線の患者様を診察するとき、最初にほうれい線そのものだけを見ることはしません。

頬の位置、頬骨や上顎周辺の支え、こめかみや頬のボリューム、口元との段差、フェイスラインまで、顔全体を見ます。

なぜなら、ほうれい線だけを埋めても、顔全体が若く見えるとは限らないからです。

私がヒアルロン酸治療で大切にしているのも、「溝を埋める」という発想ではありません。

必要な部分に支えを作り、顔全体のバランスを整える。
すると結果として、ほうれい線の影が目立ちにくくなることがあります。

これが、私が考える自然な若返りです。

まとめ|グロースファクターは「ほうれい線だから受ける」のではなく適応を見極める

グロースファクターは、成長因子を利用して組織に働きかけ、ほうれい線やくぼみなどの改善を目指す治療です。

一方、ヒアルロン酸はボリュームを補い、顔の支えや立体構造を直接デザインできるという違いがあります。

どちらにも特徴があり、大切なのは「どちらが一番いい治療か」を探すことではありません。

自分のほうれい線の原因は何なのか。
どの程度の変化を望んでいるのか。
治療後に修正できるのか。
どんなリスクがあるのか。

そこまで理解して治療を選ぶことが重要です。

ほうれい線だけを見るのではなく、顔全体を診断し、その方に本当に必要な治療を選ぶ。

それが、不自然に「シワだけを消す」のではなく、自然に若々しく見える顔をつくるために、私がもっとも大切にしていることです。

気になる方は、是非カウンセリングだけでもいらしてください。

※ご参考までに下記のメニューをご覧ください。

ヒアルロン酸施術でお肌のお悩みを改善

1人1人のお悩みに向き合い、施術によって「最大の美しさ」を実現。まずはカウンセリングにお越しください

  • WEBから予約
  • LINEで相談
STEP1 ご予約・お問い合わせ
STEP2 カウンセリング
STEP3 施術・お悩み解決

この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
LINE予約 WEB予約 電話で相談