ヒアルロン酸1ccはどのくらい?顎・頬・鼻・唇・涙袋・額への注入量と効果を医師が解説

ヒアルロン酸の注入治療は、手軽に顔の印象を変えられる美容医療として人気を集めています。そのなかでも「ヒアルロン酸 1cc どのくらい?」という疑問は多くの方が抱くものです。1ccは美容医療の現場でよく使われる単位ですが、実際にはどのくらいの量なのか、どんな効果が得られるのか、注入部位や使用量でどんな違いがあるのか気になる方も多いでしょう。本コラムでは、顎・頬・鼻・唇・涙袋・額といった部位ごとの注入量の目安や注意点、また知っておきたいポイントを医師の視点から解説します。

ヒアルロン酸1ccとはどのくらいの量か

まず、ヒアルロン酸1ccは1mL、つまり1立方センチメートルの体積を指します。一般的にヒアルロン酸は粘度があり、水のようにサラサラではありませんが、0.1~0.2cc程度の少量でも局所的には十分に変化をもたらします。1ccという量はイメージしづらいかもしれませんが、点滴の1mL分、あるいは小さじ1杯が5mLほどですから、その1/5程度と思うとよいでしょう。

「意外と少ないのでは?」と思われるかもしれませんが、美容医療におけるヒアルロン酸注入は、精密にデザインされるため、この少しの量でも部位によってはしっかり効果を実感しやすいのが特徴です。ただし、必要な注入量は注入目的や部位、使用するヒアルロン酸の種類によって変わるため、1ccが多いか少ないかは一概には言えません。

よく注入される部位と1ccの目安量

以下では、顎・頬・鼻・唇・涙袋・額の6つの部位について、1ccをどのように使うケースが多いかをまとめます。実際に治療を行う際は、医師が患者さまのご要望とお顔のバランスを考慮して調整するため、あくまで目安としてご覧ください。

1.顎

顎のラインをシャープにしたり、Eライン(横顔のバランス)を整えたりする目的で注入します。顎は顔全体の印象を左右する重要なパーツであり、少量でも効果が出やすい部位です。通常は0.5~1.0cc程度を目安にしますが、後退顎でボリューム不足が顕著な方は1.0cc以上を使用することもあります。

2.頬

加齢による頬のたるみやコケを改善したい場合は、頬骨周りを中心にヒアルロン酸を注入し、ボリュームアップを図ります。頬は面積が広いため、1ccだけでは物足りない場合もあり、2~3ccを複数回に分けて注入するケースも。但し、頬は入れすぎると不自然になりやすいため、段階的に注入量を調整することが望ましいです。

3.鼻

鼻筋を通したり、低い鼻を高く見せたりするために注入します。鼻の形状にもよりますが、0.3~0.5cc程度でしっかりと鼻筋をつくることが可能です。もともと鼻が高い方や小さな修正で十分な方は0.1~0.2ccでも効果を得られます。但し、鼻は皮膚や血管の構造が繊細なので熟練した医師による慎重な施術が必要です。

4.唇

唇のボリュームアップや形の整形には、0.5~1.0ccを1回で注入することが多いです。唇は少量でも変化がわかりやすい部位ですが、元々のボリュームや理想の厚みによっては1.0ccを越えることもあります。初めてヒアルロン酸を注入する場合は、いきなり多量を注入すると大きな変化になりすぎることがあるため、段階的に注入していく方法が安全で自然な仕上がりにつながります。

5.涙袋

目元の印象を大きく変える涙袋は、0.1~0.4cc程度の少量注入でふくらみを作ることが多いです。1ccを涙袋のみに使うケースは少なく、他の部位と併用することが多いでしょう。涙袋は皮膚が薄く、青みやむくみが目立ちやすいため、ヒアルロン酸の種類や注入テクニックにより慎重にデザインしていきます。

6.額

額のシワや丸みを出したい場合に0.5~1.0cc程度を目安にすることがあります。ただし額は縦にも横にも面積が広く、平坦な形状を希望する場合にはさらに多くの量を必要とすることがあります。また、額のシワ改善にはボトックス注射を併用するケースもあり、必要な治療を組み合わせて検討することが大切です。

1ccを複数部位に分けて注入することは可能か

1ccを複数部位に分配することは理論上は可能ですが、十分な効果を得るためには、部位ごとに必要な注入量を確保したほうがよいこともあります。たとえば、鼻筋と唇の両方に同時に少しずつ注入したい場合、合計で1ccが適量になるケースはありますが、欲張って分散しすぎると効果が物足りなくなる可能性もあるでしょう。そのため、どこを優先的に治療したいか、医師とのカウンセリングで明確にしておくことをおすすめします。

ヒアルロン酸の持続期間とメンテナンス

ヒアルロン酸注入の効果は使用する製剤や部位、個人差にもよりますが、一般的には6か月~1年半程度持続するとされています。持続期間を過ぎても一度にすべて吸収されるわけではなく、徐々に効果が薄れていきます。また、効果が薄れてくる頃に少量ずつメンテナンスを行うことで、自然な状態で長期間きれいなラインを保つことができます。

ヒアルロン酸注入で気をつけたい副作用やリスク

ヒアルロン酸注入後には、腫れや内出血、むくみなどの症状が一時的に出ることがあります。特に唇や涙袋などの皮膚が薄い部位では内出血が目立ちやすい傾向がありますが、多くの場合は1~2週間ほどで落ち着きます。万が一、しこりや血管閉塞などの重篤な合併症が疑われる場合は、すぐに施術を受けたクリニックに相談してください。クリニックによってはヒアルロニダーゼと呼ばれる分解酵素を使って、注入したヒアルロン酸を溶解させることも可能です。

まとめ

「ヒアルロン酸 1cc どのくらい?」という疑問は、見た目よりも少量でありながら、各部位のデザイン次第で大きな変化をもたらす量だといえます。顎や鼻のように少量でも効果が出やすい部位もあれば、頬や額のように広範囲に注入が必要となる部位もあります。1ccを複数箇所に分散して使うことも可能ですが、部位ごとの必要量を確認しながら医師と相談して決めることが大切です。

また、ヒアルロン酸の効果は永続するわけではないため、定期的なメンテナンス注入を行うことで理想的な状態をキープしやすくなります。治療を検討している方は、クリニックで十分なカウンセリングを受け、使用するヒアルロン酸製剤の種類やリスク、副作用についても理解しておきましょう。

顎・頬・鼻・唇・涙袋・額など、気になる部位へのヒアルロン酸注入は、経験豊富な医師による適切な診断と施術が重要です。あなたが理想とする美しさを実現するためにも、まずは専門クリニックでしっかり相談してみてくださいね。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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