ヒアルロン酸を入れ過ぎるとどうなる?美容医師が解説する適量とリスク

手軽に顔のシワやたるみを改善できる施術として、ヒアルロン酸注入はがあります。一方で、ヒアルロン酸を入れ過ぎた顔を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに、適切な量を守らずに過度に注入してしまうと、不自然な仕上がりやトラブルが生じる可能性があります。本コラムでは、美容医師の立場から、ヒアルロン酸を入れ過ぎることによるリスクや、適切な施術のために知っておきたいポイントを解説します。

ヒアルロン酸を入れるメリットと増える需要

ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分であり、水分を保持する能力が高いことから、シワの改善やボリュームアップに効果的です。加齢によって失われたハリを補い、顔全体の若返りが期待できることから、多くの方が美容クリニックで注入施術を受けています。さらに、施術時間が比較的短く、ダウンタイム(施術後の回復期間)も少ないため、忙しい方にも選ばれやすいのです。

しかし、人気が高まる一方で、「もっと効果を出したい」「さらにボリュームを出したい」といった思いがエスカレートしやすいのも事実です。こうした背景から「ヒアルロン酸入れすぎるとどうなるのか」「ヒアルロン酸入れすぎたら元に戻せるのか」といった疑問の声が増えているのです。

ヒアルロン酸を入れ過ぎると起こり得る症状

1.不自然な仕上がりになる

顔のパーツごとに必要なヒアルロン酸の適量は異なります。例えば頬やこめかみをふっくらさせたい場合に過度な量を注入してしまうと、丸みが強くなりすぎ、いわゆる「ヒアルロン酸入れ過ぎ顔」に見える可能性があります。鼻やアゴなど、骨格を強調したいパーツでも、過剰な量の注入によってバランスを崩し、不自然に盛り上がったような輪郭になりかねません。

2.しこりや凸凹が生じる

ヒアルロン酸は元来、体内にある程度吸収される性質を持ちますが、短期間で大量に入れ過ぎると、吸収のされ方にムラが出たり、硬く凝集したりしてしこり状に残ることがあります。施術直後に目立たなくとも、数週間から数か月後に表面が凸凹してくるケースもあるのです。

3.血行障害や皮膚トラブルを引き起こす

さらに問題なのは、ヒアルロン酸を過度に注入した部位で血管を圧迫してしまうリスクです。圧迫が強いと血行障害が生じ、皮膚の色調に変化が出たり、場合によっては皮膚壊死に至る可能性もまれにあります。また、過剰なヒアルロン酸が周囲の組織を押し広げることで、むくみや痛みが長引く場合があります。

「ヒアルロン酸を入れ過ぎている芸能人」の真相

有名人や芸能人の方の中には、たるみやシワ対策としてヒアルロン酸を注入している事例が多いのは確かです。テレビやSNSで「あの人、ヒアルロン酸入れ過ぎでは?」と噂になるケースもあります。しかし実際には、メイクや照明の影響、体重変動、その他の施術(リフトアップや脂肪注入など)の影響によって、顔が大きく変化したように見えることもあります。

但し、実際にヒアルロン酸注入を繰り返した結果、やや不自然に見える変化が生じるケースがあるのも事実です。芸能人のような人前に出る職業の場合は、即効性を求めがちなので、施術を重ねるうちに過量となってしまうリスクも否定できません。

入れ過ぎの改善方法はある?溶解注射という手段

「ヒアルロン酸を入れ過ぎたらどうしたらいいのか」という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。過剰に入れたヒアルロン酸は、溶解注射(ヒアルロニダーゼ)によって分解させ、ある程度元の状態に戻すことが可能です。
しかし、注入したヒアルロン酸すべてをきれいに除去できるわけではなく、周囲組織との兼ね合いや、時間の経過による変化によっては、思った以上に元に戻りきらないこともあります。また、ヒアルロニダーゼ自体も若干の痛みや腫れなどの副反応を伴う可能性があるため、事前に医師と十分に相談することが大切です。

適量を守り、リスクを回避するためのポイント

1.実績のある医療機関を選ぶ

ヒアルロン酸注入は、医師の技術や美的センスに左右されやすい施術です。だからこそ、過度な注入を避けるためにも、実績や経験のある医師を選ぶことが重要です。また、カウンセリングに十分な時間を割き、顔全体のバランスを診断してくれるクリニックを探しましょう。

2.こまめなメンテンスで様子を見る

最初の施術で大量に入れ過ぎるのではなく、少量を複数回に分けて注入するほうが、過剰なボリュームになりにくいメリットがあります。定期的に医師の診察を受けながら、少しずつ調整していくことで理想の仕上がりに近づくことができます。

3.過度に「即効性」を求め過ぎない

ヒアルロン酸注入は、一定の即効性が期待できる施術ではありますが、効果を急ぎすぎるあまり大量注入につながってしまうと、先述した不自然な仕上がりやトラブルを招く原因となります。やはり、持続期間や吸収の度合いを考慮しながら、慎重に施術を行う姿勢が大切です。

まとめ:適切な量でキレイを長く楽しむ

「ヒアルロン酸入れすぎるとどうなる?」という疑問や不安は、実際に施術を検討している方であれば誰もが抱きがちです。過剰注入は、不自然な仕上がりだけでなく、しこりや凸凹といったトラブルにもつながります。芸能人のように魅力的な顔立ちを目指すのは悪いことではありませんが、施術においては“適量”を守ることこそが理想的な美しさを長く保つ秘訣です。

もし「ヒアルロン酸入れ過ぎたらどうしよう」と感じたら、慌てずにまずは医師に相談しましょう。溶解注射や再度の施術で修正できる場合も少なくありません。加えて、適正なカウンセリングと少量ずつのこまめな調整が何よりも重要です。
ヒアルロン酸注入は、正しく行えばシワやたるみを改善し、表情を豊かにするメリットがあります。リスクとメリットをしっかりと理解した上で、信頼できるクリニックを選び、自然で美しい仕上がりを目指してください。

ヒアルロン酸を入れ過ぎることによるリスクと注意点についてまとめました。適量を守り、適切なケアを施すことで、ヒアルロン酸注入による美しさをより長く楽しんでいただければ幸いです。





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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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