ヒアルロン酸はニキビに効く?悪化させる?医師が解説する最新治療と注意点

ニキビができる原因は思春期だけでなく、ストレスやホルモンバランス、生活習慣などさまざま。最近では、肌のうるおいや弾力をサポートする成分として知られる「ヒアルロン酸」が、ニキビの改善やニキビ跡のケアに役立つのか気になっている方が増えています。一方で「ヒアルロン酸を使うとニキビができるのでは?」「ヒアルロン酸でニキビが悪化しないか?」などの不安もあるかもしれません。

本記事では医師の視点から、ヒアルロン酸がニキビに与える影響や、ニキビ跡への効果、治療法の選び方について解説します。ぜひご一読いただき、今後のニキビ対策やニキビ跡のケアにお役立てください。

ニキビとスキンケア成分

スキンケア製品や美容医療を検討する際、「保湿成分がニキビの原因になるのでは」と心配になるのではないでしょうか。実際には、ヒアルロン酸そのものが直接的にニキビを“悪化”させる可能性は低いといえます。しかし肌の状態や施術後のケア方法、製剤の選択を誤ると炎症を引き起こす要因となる場合があります。

また、ニキビ治療だけではなく、ニキビ跡を改善するためにヒアルロン酸の注入を検討するケースも増えています。ヒアルロン酸を活用することで肌の凹凸を目立たなくしたり、保湿力を高めることで新しい炎症の発生を抑制します。

ヒアルロン酸はなぜ注目されるのか

ヒアルロン酸は、もともと体内(皮膚や軟骨など)に存在している保湿成分です。その保水力は抜群で、1gで数リットルもの水を抱え込むといわれています。美容医療ではシワやたるみの改善を目的に、ヒアルロン酸製剤を注射する治療が一般的ですが、近年はニキビ跡の凹凸を埋めたり、乾燥によるバリア機能の低下を補う目的でも使用されるケースが見られます。ニキビ治療と合わせてヒアルロン酸の活用が検討されることがあります。

ヒアルロン酸はニキビを悪化させる?それとも治す?

ヒアルロン酸とニキビ悪化の可能性

一般的にヒアルロン酸そのものが毛穴を詰まらせることは非常にまれと考えられています。むしろ保湿効果により、皮膚のバリア機能が高まることでニキビの炎症を抑制する可能性があるともいわれています。
但し、施術法やアフターケアに問題がある場合、注入した部分に細菌感染などのトラブルが起こり、ニキビができやすい状況が生まれるリスクもゼロではありません。
例えば注射器や針の扱いが不適切だったり、施術後のクレンジングやメイクの際に肌を刺激しすぎたりすることで、思わぬ肌荒れを起こすことがあります。

ニキビ跡にヒアルロン酸は有効か

ニキビ跡の中でも凸凹したクレーター状の跡は、肌内部の真皮層がダメージを受けている状態です。ここにヒアルロン酸を注入することで、真皮層のボリュームを補い、表面を滑らかに見せる効果が期待できます。ヒアルロン酸製剤によりへこんだ部分を持ち上げます。

一方、炎症が進行している赤みの強いニキビ跡や、色素沈着が残っている段階では、ヒアルロン酸よりもレーザー治療や塗り薬のほうが適している場合もあります。治療方針は、ニキビ跡のタイプや肌質に合わせて決めることが大切です。

ヒアルロン酸注入で失敗しないためのポイント

医師の診断を受けてから施術を決定する

ニキビ跡へのヒアルロン酸注入を考える場合、実績のあるクリニックや美容皮膚科を選びましょう。医師が丁寧にカウンセリングを行い、肌状態を確認した上で最適な治療プランを提案してくれます。ヒアルロン酸製剤にもさまざまな種類や粘度の違いがあるため、ニキビ跡の程度に合わせた製剤を使用することが重要です。
ヒアルロン酸注入は簡単に思われがちですが、実は高度な技術と経験が必要な施術の一つです。注入部位や深さを間違えると、しこりや凸凹感が残ったり、仕上がりが不自然になったりするリスクがあります。複数のクリニックでカウンセリングを受け、内容を比較するのも良い方法です。

アフターケアと生活習慣の見直し

施術後の肌はデリケートな状態にあります。炎症を防ぐためには、清潔な環境で適度な保湿を保ちつつ、過度な刺激(ゴシゴシ洗顔や強い成分の化粧品)は避けましょう。また、十分な睡眠やバランスのとれた食事など、生活習慣を見直すことで、ニキビの再発や悪化を防ぎやすくなります。
ヒアルロン酸注入直後に気になる症状(腫れや赤み、痛みなど)があれば、早めに施術を受けたクリニックに相談するのもポイントです。適切に対処することで、大きなトラブルを防ぐことができます。

ヒアルロン酸以外のニキビ・ニキビ跡治療と併用の可能性

ヒアルロン酸注入だけでニキビ跡を完全に治すのは難しいケースも多く、その他の治療と組み合わせることでより効果を高めることができます。例えば、

● フラクショナルレーザーやダーマペン:肌を微細に傷つけ、再生力を促進して凸凹をなめらかにする治療。

● ケミカルピーリング:古い角質を除去し、ターンオーバーを整えることで色素沈着や毛穴詰まりを改善。

● 薬物治療(外用薬・内服薬):抗生物質やビタミン剤、トレチノインなどを使用し、炎症を抑えたり皮膚の再生を促進。

このように、肌の状態に合った多角的なケアが望まれます。

まとめ:ヒアルロン酸でニキビ跡は改善できるが、正しい診断が鍵

● ニキビ跡のタイプによってはヒアルロン酸注入で改善が期待できるが、赤みや色素沈着には別の治療法が優先される場合もある

● 安全性を高めるためには、実績のあるクリニックで医師の診断を受け、適切な製剤選択・施術方法を選ぶことが重要

● 日常生活の習慣やセルフケアもしっかり行い、肌のバリア機能を高めることがニキビの再発・悪化予防に繋がる

ヒアルロン酸は、正しいアプローチで用いればニキビやニキビ跡の改善に効果を発揮する可能性があります。しかし効果を最大限にするには、医師の専門的な診断・施術、そして施術後のアフターケアや生活習慣の管理が不可欠です。気になる方は、まずは信頼できるクリニックでカウンセリングを受け、自分に合った治療法を見つけてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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