医師が解説!ヒアルロン酸注射の部位別メリットと必要量・種類の選び方

近年、美容医療の中でもヒアルロン酸注射は非常に人気が高まっています。実際に施術を考える際、どの部位にどれくらいの量を注入すべきか、さらにどの種類のヒアルロン酸製剤が適しているのかなど、さまざまな疑問が浮かぶのではないでしょうか。そこで今回は、美容クリニックの医師の視点から、各部位の特徴や人気の理由、選ばれるヒアルロン酸製剤の種類と適切な量、さらに施術前に知っておきたいポイントを詳しくご紹介します。

ヒアルロン酸注射の特徴と基本的な考え方

ヒアルロン酸はもともと人体に存在する成分で、肌の保湿や弾力を保つうえで非常に重要な役割を果たしています。そのため、ヒアルロン酸注射はアレルギーなどのリスクが比較的少なく、安全性が高いとされています。しかし、一口にヒアルロン酸といっても製剤によって粘度や硬さ、持続期間が異なり、目的や部位に合わせて選ぶ必要があります。

また、注入する部位やご希望の仕上がりによって、必要な注入量も変わってきます。たとえば、くぼみを埋めることが目的なのか、はたまた輪郭をはっきりさせるのかによっても最適なヒアルロン酸の種類や量は異なります。カウンセリングの段階で、どのような仕上がりを目指したいのかを医師とよく相談することが大切です。

部位ごとに見るヒアルロン酸注射の目的とポイント

1.目の下(クマ・涙袋)

● 目的:クマやたるみにより生じる影の軽減、涙袋の形成

● 必要量の目安:片側あたり0.3~0.5cc程度が多い

● 製剤の特徴:柔らかめでなじみやすいタイプのヒアルロン酸を用いるケースが多い

● ポイント:皮膚の薄い部位のため、しこりや凸凹が目立ちやすい。施術時には施術者の経験と技術力が求められる

目元は顔の印象を大きく左右する部位であり、少量でも劇的な印象改善が期待できる一方、やや難易度が高い部位ともいえます。適した種類と医師の注入技術によって、自然な仕上がりを実現することが重要です。

2.ほうれい線(鼻唇溝)

● 目的:ほうれい線の深さを軽減し、若々しい印象に

● 必要量の目安:片側あたり0.3~0.8cc程度

● 製剤の特徴:適度な弾力を持ち、ボリュームをしっかり出せるタイプが選ばれやすい

● ポイント:症状の程度によって必要量が大きく変わる。周囲の頬や口元とのバランスを考慮することが大切

ほうれい線は加齢サインの中でも特に目立ちやすく、ヒアルロン酸注射による改善を希望する方が多い人気の部位です。ただし、単に溝を埋めるだけでなく、頬のたるみやフェイスラインとの総合的なバランスを見ながら施術すると、より自然で若々しい印象に仕上がります。

3.唇(リップ)

● 目的:ボリュームアップ、輪郭形成、シワ予防

● 必要量の目安:全体で0.5~1.0cc程度(上下に分けて注入するケースが多い)

● 製剤の特徴:やわらかく伸びが良いタイプや、形を作りやすいタイプなど、希望するデザインに応じて選択

● ポイント:唇は動きが多い部位のため、柔軟性や定着のしやすさが重要。左右差やバランスにも注意

近年は「ほんの少しだけ厚みを出して、自然に魅力を高めたい」というニーズが増えています。部位別にみても、唇は女性のみならず男性にも人気が高まっている部位です。

4.額(おでこ)・こめかみ

● 目的:平坦になったおでこやこめかみをふっくらさせ、立体感をつくる

● 必要量の目安:1.0~2.0cc程度(広範囲の場合はさらに増えることもある)

● 製剤の特徴:比較的なじみやすく、しっかりとボリュームを出せるタイプ

● ポイント:おでこは丸みの出し方や高さの加減で顔全体の印象が左右される。
こめかみは痩せていると老けた印象になりやすいため、適度なボリュームづくりが大切

顔の輪郭形成の中でも意外と注目されているのが額やこめかみです。横顔や斜めから見たときの印象を若々しくしたい人に人気があります。

5.顎(あご)・フェイスライン

● 目的:フェイスラインを引き締め、横顔を美しく整える

● 必要量の目安:0.5~1.5cc程度(ご希望の形状により増減)

● 製剤の特徴:硬めのテクスチャーで形をキープしやすいもの

● ポイント:顎先に注入することで、Eライン(鼻先と顎先を結ぶライン)のバランスを整えられる。頬や輪郭のたるみ改善にも役立つ

顎やフェイスラインは、下顔面の印象を大きく変えることができます。歯列や咬み合わせなども含めて考慮したうえで、最適な形を目指すのがおすすめです。

部位別のヒアルロン酸製剤の種類と選び方

ヒアルロン酸製剤は各メーカーから多様な製品が販売されており、粘度や柔らかさ、持続期間などに違いがあります。例えば、涙袋や目の下のくぼみのような繊細な部位には、柔らかめで皮膚になじみやすい製剤を選ぶことが多いです。一方、顎や鼻根など輪郭形成が主目的の部位には、硬めで形状を維持しやすい製剤が適しています。
また、以下のような要素も考慮します。

1.仕上がりの自然さ:どの程度の高さやボリュームを出したいか。

2.持続期間:製剤によって6か月~1年以上と、持続期間が異なる場合がある。

3.術後のダウンタイムやリスク:しこりや凸凹が生じやすい部位には、より粒子が細かくなじみやすい製剤を選ぶことが多い。

特に最近は、製剤の進歩により複数の種類を部位別に使い分けることで、ダウンタイムを抑えながら自然かつ長持ちする施術が可能になっています。

人気の施術部位と注意点

1.人気の部位

ほうれい線、目の下、顎、唇、こめかみなど

2.注意点

・医師の実績とカウンセリングを重視

・過度な量の注入はかえって不自然になる可能性あり

・施術後は内出血や腫れが生じる場合があるため、仕事やイベントとのスケジュール調整が必要

・定期的なメンテナンスが必要なことを理解する

ヒアルロン酸はたしかに手軽で効果を得やすい施術ですが、医師の技術力や製剤の特性、各部位の骨格や皮膚の状態など、総合的に判断して適切なプランを立てることが大切です。施術後に違和感があったり、想定と違う仕上がりになった場合は、早めにクリニックに相談しましょう。

まとめ

部位ごとの特徴や必要量・種類に関心を持ち、より効果的かつ自然な仕上がりを求めましょう。実際に施術に踏み切る場合は、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

1.カウンセリングで目指すゴールを明確に

どの部位をどう改善したいのか、具体的なイメージを医師に伝える。

2.部位別に適した製剤と必要量のバランスが鍵

部位の特性や希望のデザインに応じてヒアルロン酸の種類や量を選択。

3.施術後の経過を見ながら調整する

ダウンタイムを見越し、もし修正が必要なら早めに対応してもらう。

4.長期的なメンテナンス計画を立てる

一度注入すれば一生効果が持続するわけではない。定期的なケアも検討。

ヒアルロン酸注射は即効性がある一方、仕上がりや安全性、長期的な維持管理には経験豊富な医師の知識と技術が欠かせません。ヒアルロン酸の注入部位や量、使用製剤の種類を慎重に選ぶことで、より満足度の高い結果が得られるはずです。興味のある方は、まずは信頼できるクリニックに相談し、自分に合った施術プランを見極めてみてください。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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