ヒアルロン酸注射後の内出血が消えない?医師が解説する原因と正しい対処法

ヒアルロン酸注射は、シワやたるみの改善、リフトアップなど、美容医療の中でも比較的手軽に受けられる施術として人気があります。しかし、施術後に「内出血がなかなか消えない」「青あざが目立って不安」という声は少なくありません。そこで本コラムでは、内出血が起こりやすい理由や、なぜ長引いてしまうのか、対処法やクリニックへの相談の目安などを医師の観点から解説します。

ヒアルロン酸注射後に内出血はなぜ起こる?

ヒアルロン酸注射は、極細の針を使うため「ダウンタイムが少ない」とされます。しかし実際には、皮膚下の細かな血管を針が傷つけることで内出血が起こることがあり、特に目元や唇など血管が密集している部位ほど、そのリスクが高くなる傾向があります。さらに、体質的にあざができやすい方や、血液をサラサラにする薬を内服中の方、過度なアルコール摂取がある方なども、内出血が生じやすいといわれています。

多くの場合、内出血は1~2週間ほどで徐々に落ち着き、自然に吸収されて消えていきます。しかし、中には「3週間以上経っても消えない」「むしろ広がってきた気がする」など、不安を感じるケースがあります。

なぜ内出血が消えにくいケースがあるのか

1.血管の損傷が大きかった

注射の際に血管を大きく傷つけてしまうと、出血量が増えたり、血液のかたまり(血腫)が形成されてしまう場合があります。この血腫が皮下で吸収されるまでに時間がかかると、青あざや赤味が長引くことがあります。

2.代謝・回復力の低下

年齢や体質、生活習慣によっては、傷ついた血管周辺の回復が遅れるケースもあります。睡眠不足や栄養バランスの乱れ、喫煙なども回復力を低下させ、内出血の吸収を遅くする要因になります。

3.施術部位の特性

目元や唇など、皮膚が薄く血管が集まりやすい部位は、内出血の色味が濃く・長く残りやすいとされています。また、マリオネットラインやほうれい線などの深部に注入する場合も、周囲の組織に血液が広がることで、内出血の範囲が大きくなることがあります。

4.稀に起こる合併症の可能性

ごく稀ですが、血管閉塞や感染症などのリスクもゼロではありません。血管閉塞が起これば、内出血というよりも皮膚の色味変化や強い痛み、壊死などが懸念されます。明らかに通常の青あざと異なる症状が現れた場合は、早めの受診が必要です。

内出血を早く目立たなくするためのセルフケア

1.患部を冷却

初期は傷ついた血管からの出血を抑えるため、氷や冷却ジェルパックでやさしく冷やすとよいでしょう。やりすぎは凍傷を招く可能性があるため、保冷剤をタオルで巻いて短時間を目安に行ってください。

2.安静と十分な睡眠

ヒアルロン酸注射後は、できるだけ患部を刺激しないように安静を保つことが重要です。また、睡眠不足は血液循環や創傷治癒を妨げ、内出血が長引く要因となります。しっかりと睡眠をとることで回復力を高めましょう。

3.ビタミンK・ビタミンCを意識する

緑黄色野菜や柑橘類、イチゴなど、血液凝固やコラーゲン生成に関わるビタミンを積極的に摂取するのも一つの方法です。バランスのとれた食生活はもちろん、必要に応じてサプリメントなども活用すると回復力向上に役立ちます。

4.温めるタイミングに注意

初期の段階で患部を温めると、血流が促進されて出血が増えることがあります。しかし、出血が止まってからは軽く温めることで、血液循環を整え、内出血の吸収を促すことができます。ただし、温めすぎは逆効果になる可能性があるため、適度な温度と時間で行いましょう。

内出血がいつまでも消えない場合は?

基本的に1〜2週間でかなり改善するケースが多いのですが、3週間以上経過しても色味や腫れが変わらず痛みが続くようであれば、施術を受けたクリニックに相談するのが安心です。注入の仕方や血管の状態によっては、さらに時間が必要な場合もあります。とはいえ、まれに合併症の兆候が隠れている可能性も否定できないため、自己判断せず専門医の診察を受けるとよいでしょう。

クリニックを受診する際のポイント

● 内出血の色や広がり方、痛みの程度を具体的に記録しておく

● 可能であれば施術直後の写真や、変化がわかるように日々記録しておく

● 気になる症状がいつから始まり、どのように変化したのかを医師に伝える

医師はこれらの情報をもとに、必要であれば追加のケアや薬の処方、マッサージや圧迫の指導などを行うことができます。再施術が必要な場合や、稀な合併症に対する治療が必要になる場合もありますので、気になる症状があれば我慢せずに相談してください。

まとめ

ヒアルロン酸注射後の内出血は、比較的よくある症状であり、ほとんどの場合は時間の経過とともに自然に消えていきます。ただし、「なかなか消えない」「痛みが強い」「内出血の範囲が広がっている」などの異変を感じたら、早めにクリニックを受診し、適切な処置を受けることが大切です。

安心して施術を受けるためには、事前にダウンタイムや内出血のリスクについてしっかりと把握しておき、実績のある医療機関や医師のもとでカウンセリングを受けることが重要です。もし内出血が長引いたとしても、セルフケアと医師のサポートを組み合わせることで、ほとんどの場合は回復が期待できます。ぜひ参考になさってくださいね。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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