ほうれい線にヒアルロン酸は何cc必要?医師が徹底解説する「最適な注入量」と美しさを長持ちさせるコツ

加齢によって肌のハリや弾力が失われてくると、多くの方が気になり始めるのが「ほうれい線」です。ほうれい線は顔の印象を大きく左右し、一度深く刻まれるとメイクだけではなかなかカバーしきれません。そこで近年、手軽にシワやたるみ改善が期待できる方法として注目されているのが「ヒアルロン酸注入」です。なかでも「実際に何cc入れればいいの?」「注入量の目安は?」といった疑問を抱える方が多いのではないでしょうか。

本コラムでは、医師の視点からヒアルロン酸注入によるほうれい線治療のポイントを解説しつつ、何ccを目安に検討すればよいのか、その根拠やリスク、アフターケアについても詳しく触れていきます。ご自身に合った治療プランを見つけるための参考にしていただければ幸いです。

なぜほうれい線は目立つのか?主な原因とメカニズム

ほうれい線は、鼻の両脇から口角へ向かって走る線のことを指します。もともと誰にでもある「鼻唇溝(びしんこう)」という溝が深くなったものですが、年齢を重ねるほどに目立ちやすくなるのは、以下のような原因があるためです。

1.コラーゲンやエラスチンの減少

肌内部の弾力を維持する成分が加齢によって減少し、皮膚や筋肉が支えを失うため、頬が下がりやすくなります。

2.皮下脂肪や骨格の変化

加齢とともに皮下脂肪が減少したり、骨格が変化して頬のボリュームが落ちると、頬と口周りに段差が生じ、ほうれい線が深く刻まれます。

3.表情や姿勢の影響

笑ったときや無意識の表情のクセ、姿勢の悪さなども、ほうれい線を深くする一因になると考えられています。

一度深く刻まれると、自力で完全に消すことは難しくなりますが、適切に対処することで改善が見込めるケースは多く存在します。その代表的な方法のひとつが、ヒアルロン酸注入による治療です。

ヒアルロン酸注入でほうれい線を改善する仕組み

ヒアルロン酸は、もともと人間の体内に存在している保水成分です。肌に注入することで、内側からボリュームを補い、シワや溝を目立ちにくくする効果が期待できます。

1.ほうれい線の溝を埋める

ほうれい線周辺にヒアルロン酸を注入すると、肌内部でへこんだ部分を押し上げる形となり、シワが浅く見えるようになります。

2.リフトアップ効果のサポート

必要に応じて頬の上部や口角付近にも少量ずつ注入することで、ほうれい線を引き上げるリフト効果も期待できます。

3.施術時間も短く、ダウンタイムも少ない

個人差はあるものの、施術自体は数十分程度で終了し、施術後の腫れや内出血も比較的軽度で済む場合が多いのがメリットです。

「何cc必要?」に正解はある?一般的な注入量の目安

「ほうれい線にヒアルロン酸を注入するとき、いったい何ccが適量なのか?」という疑問は、多くの方にとって非常に気になるポイントです。結論からいうと、個人差が大きく、一概に“○cc”とは断言しにくいというのが実情です。

● 軽度のほうれい線の場合:0.5〜1.0cc程度

ほうれい線の初期段階や溝の浅い方は、片側あたり0.5〜1.0ccほどの注入で効果が実感できることがあります。注入しすぎると不自然になりやすいため、少量ずつ様子を見ながら調整する方法が一般的です。

● 中程度のほうれい線の場合:1.0〜2.0cc程度

溝がはっきりしてきた方や、頬のボリュームがやや落ちている場合は、合計で1.0〜2.0cc程度のヒアルロン酸が必要になるケースがあります。頬のたるみを同時に改善する目的で、ほうれい線周辺だけでなく頬骨付近などに追加で注入することも考慮されます。

● 重度のほうれい線の場合:2.0cc以上

頬が大きくたるんでいる、もともと面長でほうれい線が深いなどの方は、2.0cc以上が必要となる場合があります。ただし、いきなり多量を注入すると不自然になりやすいため、医師と相談のうえ数回に分けて治療を行うパターンも増えています。

これらはあくまで目安であり、年齢・骨格・皮膚の厚み・頬のたるみ具合などにより、適切な注入量は変わってきます。カウンセリングで医師が触診やデザインを確認しながら、最適なヒアルロン酸の量を提案するのが一般的です。

患者さんのよくある不安・疑問点

1.「入れすぎて不自然にならないか?」

ヒアルロン酸を過剰に注入すると、頬が不自然に盛り上がったり、笑ったときに突っ張ったように見えることがあります。医師の技術とセンスによって仕上がりは大きく変わるため、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。少量ずつ数回に分けて注入する“マイクロインジェクション”手法なども活用されます。

2.「効果はどれくらい続くのか?」

使用するヒアルロン酸の種類にもよりますが、一般的には半年から1年程度が目安とされています。個人の代謝速度や使用製剤によっては1年以上持続するケースもあります。定期的にメンテナンス注入を行う方も多いです。

3.「副作用やダウンタイムは?」

施術後の腫れや内出血、注入箇所の違和感などが生じる可能性はありますが、多くの場合は1〜2週間程度で落ち着きます。万が一、ヒアルロン酸の移動やしこりが気になる場合でも、ヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)を用いて溶解・修正が可能です。

ヒアルロン酸注入を成功させるためのポイント

1.カウンセリングとデザインが最重要

ほうれい線の原因が「加齢による頬のたるみ」なのか、それとも「骨格の影響」なのかによっても治療方法は異なります。場合によっては、ヒアルロン酸だけでなくボトックスや糸リフトなどの併用が望ましいケースもあるため、初回カウンセリングで医師とじっくり相談し、デザインを明確にすることが大切です。

2.製剤選びにこだわる

ヒアルロン酸にはさまざまな種類があり、粘度や持続力が異なります。ほうれい線には、比較的粘度が高めで形状を保持しやすい製剤を使うことが一般的ですが、患者さんの皮膚の薄さやご要望によって柔らかめの製剤を選ぶこともあります。

3.アフターケアを怠らない

施術後は、過度なマッサージや圧迫は避け、患部を安静に保つ必要があります。また、2週間ほどは激しい運動や長時間の入浴、サウナなども控えめにしましょう。ダウンタイムを短くするためにも、クリニックから指示されたケアをしっかり守ることが重要です。

自分に合った注入量を見極めるには?

実際に「何ccが最適か」は、医師による診察とカウンセリングが不可欠です。以下の点を基準に自分に合ったプランを見極めるとよいでしょう。

1.ほうれい線の深さ・長さ

鏡で見たときのシワの深度や、笑顔のときの変化などをチェックしておくと、カウンセリング時に医師とイメージを共有しやすくなります。

2.頬や口周りのたるみ具合

単純にほうれい線だけが原因ではなく、頬全体の下垂が大きい場合は、ヒアルロン酸の注入箇所を複数にわける必要があります。

3.仕上がりの希望イメージ

「自分のほうれい線をほんの少しだけ薄くしたいのか」「しっかり若々しい輪郭を取り戻したいのか」など、ご自身が思い描くゴールを明確にしておくことで、必要な注入量や治療プランの方向性が見えてきます。

4.予算・通院回数の希望

ヒアルロン酸注入は比較的安定した施術とはいえ、製剤の種類や注入量が増えれば費用も上がります。先を見据えて、メンテナンスの通院回数や費用感も医師と相談しましょう。

まとめ:ヒアルロン酸注入で「自分らしい若々しさ」を取り戻す

ほうれい線に対するヒアルロン酸注入は、「加齢によるシワが気になってきた」「手軽に若々しさを取り戻したい」という方にとって、有力な選択肢となります。但し、必要な注入量は人によって大きく異なり、「何ccが正解」というよりは「適切な箇所に必要な分だけ注入する」という考え方が重要です。

● 軽度なら0.5〜1.0ccほど、深いほうれい線は1.0〜2.0cc、重度は2.0cc以上が目安。

● 医師とのカウンセリングを通じ、最適な治療計画を立てることが仕上がりを左右する。

● アフターケアを怠らないことが、効果を長持ちさせる秘訣。

「やりすぎたくはないけど、確実に効果を出したい」「周りにバレずに自然に若返りたい」といった悩みは、まずクリニックでしっかり相談してみましょう。ヒアルロン酸注入は、経験豊富な医師が行うことで、より自然で満足度の高い結果が得られます。「ほうれい線を目立たなくする」だけでなく、顔全体の印象や魅力を活かす治療デザインを心がけることで、自分らしい美しさを取り戻すきっかけになるかもしれません。

ヒアルロン酸の「何cc」が気になる方は、ぜひ本コラムや参照サイトを参考に、クリニックでのカウンセリングを検討してみてください。あなたに合った最適な治療プランが見つかるよう、この記事がお役に立てば幸いです。



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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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