鼻ヒアルロン酸注入は何回までOK?回数制限・メリット・注意点を医師が解説

近年、メスを使わずに鼻の形を整えられる「鼻のヒアルロン酸注入」が広く注目を集めています。ダウンタイムの短さや施術時間の短さなどから、幅広い年代の方に支持されていますが、一方で「何回まで注入しても大丈夫なのか?」「回数を重ねることで鼻にトラブルが起きないか?」といった不安の声も少なくありません。そこで本コラムでは、鼻へのヒアルロン酸注入に関して、回数やリスク、効果を維持するためのベストなタイミングなどを医師の視点から解説します。施術を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

鼻ヒアルロン酸注入とは?

鼻にヒアルロン酸を注入し、鼻筋を通したり、鼻先を少し高くしたりする施術です。注入量や注入部位を細かく調整することで、鼻のバランスを整え、顔全体の印象を変えることができます。メスを使わないため、施術時間も短く、ダウンタイムが比較的軽い点が人気の理由です。

また、ヒアルロン酸には体内に存在する成分と近い性質を持つものが多く、施術後に時間が経てば体内に吸収されるという特徴があります。このため、万が一仕上がりに不満があった場合でも、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)を使用し、比較的容易に溶解できる点もメリットの一つです。

「何回まで注入して大丈夫?」という疑問

鼻ヒアルロン酸における「何回まで注入可能か」という問いには、厳密な“回数制限”はありません。医療機関によっては「長期間にわたって頻回に注入しても問題ない」とされるケースもあります。ただし、何度も注入を繰り返すことで生じるリスクや、体質・肌質による個人差があるため、単純に「回数無制限」というわけではありません。

回数の目安と間隔

1.一般的な持続期間

鼻へのヒアルロン酸注入では、使用する製剤や個人差にもよりますが、おおよそ半年から1年程度かけて体内に吸収されると考えられています。吸収の度合いが顕著になってきたら再注入のタイミングです。

2.回数よりも間隔が大切

短期間に何度も注入を繰り返すと、腫れや内出血などのリスクが高まる可能性があります。医師からも「前回の注入が落ち着いてから、最低でも数カ月は空ける方が望ましい」と説明されることが多いでしょう。

3.施術の完成度や術者の判断

鼻の形や希望の高さによっては、一度の施術で十分満足できるケースもあれば、徐々に注入量を増やすことで理想に近づけるケースもあります。医師が「もう少し注入が必要」と判断した場合は、短いスパンで複数回に分けて行うこともありますが、常にリスクを考慮した上で計画を立てることが重要です。

回数を重ねることで起こり得るリスク

「何回でも注入できるから」と過度に安心するのは危険です。ヒアルロン酸注入を繰り返す中で考えられるリスクとしては、以下のようなものがあります。

1.皮膚トラブル・感染

・繰り返し針を刺すことで、まれに皮膚が炎症を起こしたり、感染リスクが高まったりする可能性があります。

・清潔な環境と適切なアフターケアが大切ですが、施術者の技量や使用する針の種類・消毒方法なども関係します。

2.しこり・凹凸

・ヒアルロン酸が局所的に偏ってしまうと、しこりや凹凸が目立つ場合があります。

・短期間での再注入や、既存のヒアルロン酸の吸収が不十分な状態での追加注入によって、形が不自然になってしまうケースも。

3.血管塞栓のリスク

・鼻周辺は血管が複雑に分布しており、極めて稀ではあるものの、血管にヒアルロン酸が入ってしまうと血流障害を引き起こすリスクがあります。

・熟練した医師による施術でも、完全にゼロにはできないリスクであることを理解しておきましょう。

4.徐々に効果が出にくくなる可能性?

・同じ部位に何度もヒアルロン酸を注入すると、組織の癒着や瘢痕化(はんこんか)により、思い通りの形になりにくいことも考えられます。

・特に修正を繰り返す場合は、ヒアルロン酸以外の施術(プロテーゼや糸リフト、あるいは切開による手術など)を検討する必要が出てくることもあります。

ユーザーの「回数」に関する不安とインサイト

実際に鼻のヒアルロン酸注入を検討される方の多くは、次のような思いを抱いています。

1.「定期的に注入しないと綺麗な状態を保てないのでは?」

ヒアルロン酸は吸収されるため、理想の高さを長期にわたってキープしたい方は、定期的なメンテナンスを考える必要があります。

2.「何回もやると鼻が変形したり、皮膚が伸びたりしない?」

適切な間隔を空け、適量を注入する限り、皮膚が極端に伸びる心配は少ないとされています。しかし、無理な量を注入し続ければ変形リスクは高まるでしょう。

3.「費用面やダウンタイムはどのくらい負担になる?」

ヒアルロン酸注入のコストは、1回の施術で数万円程度が多い傾向ですが、施術内容やクリニックごとに異なります。ダウンタイムは数日程度で落ち着くことが多いとはいえ、内出血やむくみなどが出る可能性はあります。

こうした不安は、施術を行う医師やクリニックでしっかりとカウンセリングを受けることで、大きく解消できます。特に、回数を重ねる際は、「なぜ追加が必要か」「どの程度の量を追加するのか」を明確にしてもらうことで不安を軽減できるでしょう。

長期的にキレイな鼻を保つためのポイント

1.信頼できる医師を選ぶ

鼻の解剖学的構造を熟知している医師に施術を任せることが、一番のリスク回避策です。施術実績やクリニックの評判、実際の症例写真などを確認しておくと良いでしょう。

2.カウンセリングでゴールを明確にする

「どのくらいの高さを望むのか」「どの角度が理想か」など、ゴールを明確にするほど、過剰な注入や回数を減らせる可能性が高まります。

3.適切な間隔を守る

前回注入分がまだ残っている状態で重ねて施術すると、形が崩れたりしこりになったりするリスクが高まるため、医師の指示に従い、適度な期間を空けることが大切です。

4.他の施術との比較検討

ヒアルロン酸以外にも、糸リフトやプロテーゼ挿入など、施術方法は複数あります。回数やコスト、効果の持続期間を総合的に考え、必要に応じて別のアプローチも検討すると良いでしょう。

5.定期的なメンテナンスを視野に入れる

ヒアルロン酸の効果は永続的ではありません。鼻筋をきれいに保ちたい場合は、数カ月〜1年に一度程度、状態を確認しながら再注入を検討しましょう。

まとめ:回数に絶対的な上限はないが、適切なタイミングと医師の判断が重要

鼻のヒアルロン酸注入は、メスを使わない手軽な方法として人気ですが、「何回まで大丈夫なのか?」という疑問に対しては「厳密な回数制限はないが、無制限に繰り返してもいいわけではない」というのが結論です。回数よりも、適切な間隔を守り、医師とのカウンセリングでリスクを理解したうえで施術を進めることが大切です。

施術を重ねることでより理想的な鼻筋が得られるケースもあれば、一方でリスクも存在します。もし複数回の注入を考えている方は、クリニックや医師にしっかり相談し、自分にとって最適なスケジュールを組みましょう。疑問点や不安を払拭したうえで施術を受けることで、ヒアルロン酸のメリットを最大限に活かし、より満足度の高い結果を得られます。

本記事は医療情報の提供を目的としており、個別の症状や事情については必ず医師とご相談ください。

ヒアルロン酸施術でお肌のお悩みを改善

1人1人のお悩みに向き合い、施術によって「最大の美しさ」を実現。まずはカウンセリングにお越しください

  • WEBから予約
  • LINEで相談
STEP1 ご予約・お問い合わせ
STEP2 カウンセリング
STEP3 施術・お悩み解決

この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
LINE予約 WEB予約 電話で相談