ヒアルロン酸注射後の「ボコボコ」は治る?医師が解説する原因と対処法、そして安心して施術を続けるためのポイント

ヒアルロン酸による美肌・若返り施術は、手軽さや効果の即効性から大変人気があります。しかし、その一方で「注入後のボコボコが気になる」「時間が経てば治るのか不安」といった声も少なくありません。特に額(おでこ)などの皮膚が薄い部位では、わずかな凸凹でも目立ちやすく、悩みに発展しやすい傾向があります。では、この凸凹は本当に自然に治るものなのか、あるいは何らかの対処が必要なのか。本記事では医師の立場から、ヒアルロン酸注射後の凸凹の原因や治し方、さらに安心して施術を続けるためのポイントについて解説していきます。

ヒアルロン酸注射後のボコボコとは?

ヒアルロン酸は、本来ヒトの皮膚や関節にも存在する保湿成分です。これをシワやたるみが気になる部位に注入することで、内側からボリュームを補い、ハリのある仕上がりを目指すのがヒアルロン酸注射です。しかし、施術後に以下のような“ボコボコ”した症状が現れるケースがあります。

1.膨らみ・凸感

注入部分がピンポイントで盛り上がった状態。

2.凹凸の線状

注入したヒアルロン酸が線状または粒状に感じられ、表面が波打つように見える状態。

3.むくみによる膨張

液体の滞留や炎症による軽いむくみが原因のやや広範囲のボリュームアップ。

特におでこは皮膚が薄く骨との距離が近いため、少量の注入でも局所的な凹凸が目立ちやすい部位です。

ボコボコが起こる主な原因

1.ヒアルロン酸の性質や注入量

ヒアルロン酸には粘度や硬さの異なる種類が複数あり、使用する部位や目的に合わせて選ばれます。粘度が高い製剤を浅い層に大量注入すると、皮下に塊として残りやすく、凸凹が生じることがあります。反対に、柔らかいタイプのヒアルロン酸であっても過剰に注入すれば、局所的なふくらみを作りやすくなるため注意が必要です。

2.注入のテクニック

医師の経験や注入テクニックもボコボコの発生に影響します。浅い層に注入しすぎると皮膚表面に浮き出るような形でヒアルロン酸が溜まり、触ると粒状に感じたり、光の加減で波打ったように見えたりします。Private Skin Clinicやプライム銀座クリニックのコラムでも、施術後のボコボコを予防するためには、解剖学的な知識と施術者の熟練度が大切と指摘されています。

3.施術後の炎症やむくみ

ヒアルロン酸注射はメスを使う手術と比べて傷が小さいとはいえ、針やカニューレを通じて皮下に物質を注入する行為です。生体の防御反応として一時的に炎症やむくみが起きることは自然です。これによって局所がボコボコしたり、周囲がむくんで盛り上がったように感じたりする場合があります。

4.自己管理やアフターケアの不徹底

施術後のマッサージや冷却など、クリニックから指示されたアフターケアを怠ったり、誤ったケアを行ったりすることで、ヒアルロン酸が必要以上に移動・拡散してしまう可能性があります。正しい管理を行わないと、凸凹だけでなく左右差の原因にもなり得ます。

ボコボコは自然に治るのか? 時間経過での変化

結論からいえば、多くのケースは時間の経過とともに自然に落ち着いていく可能性が高いです。特に炎症やむくみが主な原因の場合、施術後1〜2週間程度を目安に体内の吸収・炎症の鎮静化が進み、凸凹が次第に緩和されます。ただし、深いシワ改善を狙って粘度の高いヒアルロン酸を入れた場合や、過剰に注入した場合は、自然に完全にフラットになるまでに時間がかかることがあります。

● 1週間以内:注射箇所の腫れや軽い内出血、むくみが原因のボコボコ

● 1~2週間:大半が治まり、触感や見た目が落ち着き始める

● 2週間以降:ヒアルロン酸が組織になじんでくるが、過量注入の場合は多少の違和感が続く可能性

施術後しばらくは経過観察が必要であり、焦って再施術を行うよりもまずは自然回復を待つことを推奨します。

ボコボコが長引く場合の対処法

1.施術医師によるチェック

まずは、施術を担当した医師の診察を受けましょう。原因がヒアルロン酸の偏りなのか、それともむくみなどの一時的な炎症なのかを判断してもらうことが重要です。場合によっては触診や超音波検査でヒアルロン酸の状態を確認します。

2.マッサージや圧迫

適切なマッサージを行うことで、浅い層にたまったヒアルロン酸を均一に広げることが期待できます。ただし、力任せなマッサージはかえって炎症を増幅させ、トラブルを悪化させる原因になるので要注意です。必ず施術クリニックの指示に従い、優しく行う必要があります。

3.ヒアルロニダーゼによる溶解

ヒアルロン酸は「ヒアルロニダーゼ」という酵素を注射することで分解・吸収を早めることができます。どうしてもボコボコが改善せず見た目が気になる場合や、過剰注入による輪郭の崩れが顕著な場合は、ヒアルロニダーゼを使って修正を検討することがあります。ただし、必要以上に溶かしてしまうと、もともとのシワやたるみが再び目立ってしまうケースもあるため、医師との相談が不可欠です。

4.追加注入で形を整える

逆説的に聞こえるかもしれませんが、凸部分だけ溶かすと却って周囲との段差が際立つケースもあります。その場合、周辺部に少量のヒアルロン酸を追加注入して段差をなじませる方法もあります。これについても医師とよく相談の上、最適な方法を選択しましょう。

不安を解消するためのユーザーインサイトとセルフケア

ヒアルロン酸注射後の凸凹で悩む患者さんの声を見ていると、多くの方は「失敗してしまったのではないか」「一生治らないかもしれない」と強い不安を抱えています。そのため、以下のようなポイントを意識するだけでも、精神的な負担を軽減できます。

1.クリニック選びの段階で相談しやすさを重視

施術後に何かあった際、気軽に連絡や再診が取れる環境かどうかは非常に重要です。アフターケアが充実しているクリニックを選ぶと、万が一の凸凹も落ち着いて対処できます。

2.ダウンタイムの知識と心構え

ヒアルロン酸注射は「ノーダウンタイム」と宣伝されることもありますが、実際には数日から1週間ほどは多少の腫れや内出血が起こり得ます。事前にそうした期間があると知っておくだけで心の余裕が生まれます。

3.焦らず経過を観察する

すぐに“完璧な仕上がり”を求めると、凸凹やむくみが残っている様子を見て一喜一憂してしまいます。少なくとも1〜2週間は様子を見て、その上で必要に応じて修正施術を検討する姿勢が大切です。

4.自分の肌質やライフスタイルを把握

おでこや目周りなど皮膚が薄い部位は他の部位より凸凹が顕著に出やすいです。また、睡眠不足やストレスは炎症やむくみを悪化させる原因にもなるため、生活習慣を整えることも大切なセルフケアです。

ヒアルロン酸注射で失敗を避けるためのポイント

1.信頼できるクリニック・医師を選ぶ

施術回数や実績、患者からの口コミを確認して、適切な注入技術を持つ医師を見極めましょう。

2.カウンセリングで不安や希望をしっかり伝える

施術前に自分のイメージをしっかり伝え、医師の説明と照らし合わせて納得できるまで質問を重ねましょう。

3.アフターケアの重要性を理解する

冷却方法、マッサージの強度や頻度など、医師からの指示を守ることが、きれいな仕上がりに直結します。

4.万が一の修正法も確認する

ボコボコが気になった際にはどう対処するのか、ヒアルロニダーゼは使用可能かなど、あらかじめ修正方法を知っておくと施術後の不安が軽減します。

まとめ

ヒアルロン酸注射後のボコボコは、炎症やむくみに起因する一時的なものから、ヒアルロン酸の偏りによる長期的な凸凹まで、原因や状況によって様々です。多くの場合は自然に治る傾向がありますが、過剰注入や皮膚の薄い部位では改善までに時間がかかったり、修正施術が必要になったりするケースもあります。まずは施術を担当した医師の診察を受け、適切なアドバイスを受けることが大切です。

また、クリニック選びや事前のカウンセリング、正しいアフターケアの実践、そして焦らず経過を観察する姿勢が、理想の仕上がりと安心につながります。時間とともに自然にボコボコが解消されるケースも多いので、まずは落ち着いてご自身の状態を確認しましょう。もし不安が大きい場合には、いつでも施術クリニックへ相談するようにしてください。

適切な手順を踏めば、ヒアルロン酸による若返りや美肌効果は非常に魅力的です。自分に合ったクリニックと医師を選び、納得のいく仕上がりを目指してみてください。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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