「医師が解説!顎ヒアルロン酸のデメリットと後悔しないためのポイント」

近年、手軽にフェイスラインを整えられる施術として「顎へのヒアルロン酸注入」が注目されています。しかし、メリットばかりが強調されがちな一方で、実際にはデメリットやリスクを把握せずに施術を受けてしまい、後悔するケースも少なくありません。そこで本コラムでは、医師の視点から顎ヒアルロン酸注入のデメリットを中心に解説し、失敗を防ぎつつより満足度の高い施術を受けるためのポイントをお伝えします。

顎ヒアルロン酸注入の需要が高まる背景

まずは顎へのヒアルロン酸注入が求められる背景を整理しましょう。日本人は骨格的に顎が短く、正面から見ても横顔から見てもフェイスラインがやや平坦になりがちです。そのため、シャープな輪郭や整ったEライン(横顔の美しさを判断する基準)を意識する多くの方が、手軽に顎を補正できるヒアルロン酸注入に魅力を感じています。

また、メスを使わずダウンタイムも比較的短いことから、忙しい社会人や育児中の方にも人気があります。一方で、こうした「手軽さ」が先行し、正確な情報の収集や医療リスクに関する意識が十分でないまま施術を検討する方も増えているのが現状です。

顎ヒアルロン酸注入のメリットとデメリットの関係性

顎ヒアルロン酸注入の主なメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

● メスを入れないためダウンタイムが短い

● 注入量や形状を調整しやすく、比較的デザインの自由度が高い

● 加齢により衰えた顎のボリュームを補うことで若々しい印象が得られる

● 元に戻せる可能性がある(ヒアルロニダーゼの使用など)

しかし、その一方で以下のようなデメリットが存在します。

1.仕上がりが不自然になることがある

2.長期的には吸収が進み効果が薄れる

3.ヒアルロン酸の硬さや注入量のコントロールが難しい

4.しこりや凸凹が発生するリスク

5.施術者の技術不足によるトラブル

これらのデメリットを理解したうえで施術を検討することで、イメージとのズレを最小限に抑え、より満足度の高い結果が得られるでしょう。

デメリット①:不自然な仕上がりになるリスク

顎へのヒアルロン酸注入で最も多いのが、「不自然さが気になる」という声です。

不自然さが生まれる原因

● 注入量の過多

過度にヒアルロン酸を入れすぎると、横から見ても前から見ても顎が不自然に突き出た印象になる。

● 位置のズレ

本来足したい部分からずれた位置に注入してしまうと、顔全体のバランスを崩す。

● 硬さの選択ミス

顎に適した硬さのヒアルロン酸を使用しないと、触ったときの違和感が強く、自然な仕上がりから遠ざかる。

特に顎の形は人それぞれ異なるため、骨格や皮膚の厚み、元々の顎の長さなどを考慮し、オーダーメイドで注入デザインを組み立てる必要があります。カウンセリングでしっかりとシミュレーションを行わず、テンプレートのように大量注入を行うクリニックでは、こうした不自然さが生じやすいのです。

回避するためのポイント

● カウンセリングで具体的なデザインを共有

● 経験豊富な医師を選ぶ

● 少量ずつ複数回に分けて注入し、都度調整する

デメリット②:吸収による効果の減少とメンテナンスの必要性

ヒアルロン酸は体内にある程度吸収されてしまう特性を持っています。個人差はありますが、顎へのヒアルロン酸注入の場合、数か月から1年ほどで徐々に効果が薄れていくことも。

長期的に見たときの問題点

● 何度も施術を繰り返す必要がある

● 注入と吸収を繰り返すうち、皮膚組織が伸びてしまうリスク

● その分の費用がかさむ

骨格そのものを変える施術ではないため、ある程度持続させたい場合は複数回の施術が前提となります。「一度きりで済むもの」と誤解している方は、後々メンテナンス費用の面で負担を感じることもあるでしょう。

デメリット③:しこりや凸凹の発生リスク

ヒアルロン酸の性質や施術方法によっては、顎下部や注入箇所にしこりや凹凸が生じる可能性があります。

 しこり・凸凹ができる主な原因

● 深さや層の選択ミス

注入すべき層より浅い位置に打つと、表面に塊として触れる。

● 過度の注入量・複数回の追加注入

同じ部位に繰り返し注入すると、ヒアルロン酸同士が固まって残るリスクが上がる。

● ヒアルロン酸の種類や品質

安価な製剤や粗悪な製剤を使うと溶け残りや炎症が起きやすい。

対処法・予防策

● ヒアルロニダーゼによる分解:固まりを溶かす酵素を注入し、修正を行う。

● 信頼できるクリニックで正規のヒアルロン酸製剤を使用

● 医師の注入技術、解剖学的知識、経験の豊富さを重視

デメリット④:施術者の技術不足やカウンセリングの問題

顎のヒアルロン酸注入は、一見シンプルな処置に思われがちですが、実は注入ポイント、注入層の深さ、さらには個人の骨格・軟組織の状態を踏まえたデザイン力が必要です。施術者の技術不足や解剖学的な理解不足により、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。

● 血管や神経を圧迫して痛みや内出血が長引く

● 左右差や顎の形の崩れによる見た目の違和感

● 患者さんの希望を汲まず、一方的なデザインになってしまう

また、カウンセリング時にリスクの説明を十分にせず、仕上がりのイメージを共有できないクリニックでは、術後の不満につながりやすいです。実績のある医師を選ぶことはもちろん、「疑問点を気軽に質問できるか」「リスク説明が丁寧か」など、コミュニケーション面で信頼できるかどうかもチェックしましょう。

ユーザーのインサイト:後悔を防ぐために知りたいこと

顎へのヒアルロン酸注入を検討しているユーザーの方々が最も気にするポイントは「失敗したらどうしよう」「どんなリスクがあるの?」という不安です。特に以下のような悩みや疑問を持っていることが多いでしょう。

● 「仕上がりが不自然になったらどう対処するの?」

● 「もし失敗した場合、やり直しはできるの?」

● 「他の施術(プロテーゼなど)との違いは何?」

● 「施術後の日常生活への影響はどれくらい?」

● 「費用やメンテナンスの負担はどの程度かかる?」

これらの疑問に対して、具体的な対処法やアフターケアの内容を示してくれるクリニックであれば、施術前に必要な情報をしっかり得ることができ、リスクとの向き合い方や万が一の対処についてもイメージしやすくなります。

後悔を防ぐための具体的なポイント

● 施術実績の豊富なクリニック・医師を選ぶ

顎は顔の印象を大きく左右するパーツです。経験豊富な医師であれば、適切な注入量やデザインを的確に判断してくれます。

● カウンセリングで具体的な仕上がりイメージを共有する

カウンセリング時に「施術後どのような横顔・正面の印象になりたいか」をしっかりと伝え、医師側からも正直な意見を聞くことが重要です。「思っていたのと違う」と感じるリスクが低減します。

● 施術後のメンテナンスや修正プランを確認する

ヒアルロン酸は一定期間で吸収されるため、その後のメンテナンスが必要になる可能性があります。加えて、修正が必要になった場合のアフターケア体制や、費用面についてもしっかり確認しましょう。

● リスク説明を丁寧に受ける

メリットのみを過剰にアピールするクリニックよりも、リスクやデメリットを丁寧に説明してくれるクリニックのほうが、信用に値します。

まとめ:顎ヒアルロン酸のデメリットを理解し、納得のいく選択を

顎へのヒアルロン酸注入には、確かに形状を自在に整えやすいという大きな魅力がある一方で、不自然な仕上がり、しこりの発生、吸収による効果の減少、そして医師の技術不足からくるリスクなど、見逃せないデメリットが存在します。

施術を検討している方は、まずはこれらのデメリットをしっかりと把握することが大切です。そのうえで、実績・知識・技術を兼ね備えた医師とのカウンセリングを通じて、仕上がりのイメージやリスク対応について納得のいくまで話し合いましょう。

● 施術前の情報収集・カウンセリングは丁寧に

● 経験豊富なクリニック・医師を選ぶ

● リスク・メンテナンス費用を考慮したうえで計画を立てる

こうしたポイントを押さえておけば、顎ヒアルロン酸注入のメリットを最大限に享受しつつ、後悔の少ない施術が期待できます。手軽さゆえに見落としがちなデメリットを念頭に、しっかりとした準備をしてから施術を受けるようにしましょう。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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