涙袋ヒアルロン酸注入のデメリットとは?―失敗リスクから対策まで医師が徹底解説

「目元の印象を若々しく、可愛らしく見せたい」という思いから、涙袋へのヒアルロン酸注入を検討する方は多くいらっしゃいます。しかし、実際にはメリットだけでなくデメリットも存在します。施術を受ける前に、起こりうるリスクや注意点を十分に理解したうえで判断することが大切です。本コラムでは、医師の視点から涙袋ヒアルロン酸注入のデメリット、失敗リスク、対策について解説いたします。

涙袋ヒアルロン酸注入とは

涙袋とは、下まぶたの縁にあるわずかな膨らみのことで、笑ったときに柔らかな丸みを帯びる部分です。ここにヒアルロン酸を注入し、ふっくらとしたボリュームをつくることで、目元を大きく華やかに見せる効果が期待できます。

一方で、涙袋は皮膚が薄く、顔の中でもとくにデリケートな部位です。そのため、ほかの部位に比べてヒアルロン酸注入のリスクが高まる点は知っておかなければなりません。

涙袋ヒアルロン酸注入の主なメリット

本題であるデメリットを解説する前に、まずメリットを整理しておきましょう。

1.目元の印象がはっきりする

涙袋が際立つことで、目が大きく見え、華やかな表情を演出できます。

2.若々しく、やさしい雰囲気に

下まぶたにふくらみが出ると、クマやたるみが目立ちにくくなり、若々しい印象を与えます。

3.メイクの手間が軽減

涙袋メイクのためのシャドウやハイライトを入れる手間が軽減され、すっぴんでも目元が華やかになります。

こうした理由から、涙袋へのヒアルロン酸注入は特に若年層を中心に人気があります。しかし、実施にあたってはデメリットやリスクをしっかり理解しておく必要があります。

涙袋ヒアルロン酸注入のデメリット

1.見た目が不自然になるリスク

涙袋は皮膚が薄く、注入したヒアルロン酸の形状がそのまま表に出やすい部位です。技術不足や注入量の調整を誤ると、周囲からも分かるほど見た目が不自然になる可能性があります。

2.ヒアルロン酸の流動や広がり

ヒアルロン酸は注入した部位から広がりやすい性質があります。涙袋だけをふくらませるつもりが、下まぶた全体にヒアルロン酸が広がってしまい、不自然にむくんだような見た目になることもあります。また、ヒアルロン酸の種類や粒子の大きさによっては、流動が起きやすくなる場合があります。

3.内出血や腫れ

注射による施術のため、針やカニューレを使用する際に細い血管を傷つけて内出血を起こすリスクはゼロではありません。とくに目元は血管が密集しており、内出血や腫れが生じやすい部位です。施術後に数日間、目の下が青紫色に変色する可能性があります。

4.施術後の痛み・違和感

涙袋は感覚が敏感な部位であるため、施術者の経験値が低いと痛みが出る可能性があります。痛みが出た場合、数日間痛みや違和感を覚えることがあります。過度な痛みや腫れが続くときは、クリニックに早めに相談する必要があります。

5.効果の持続とコスト

ヒアルロン酸の種類にもよりますが、涙袋への注入効果は半年~2年程度で徐々に薄れていきます。維持したい場合は定期的な追加注入が必要となります。

6.アレルギー反応・感染症

ヒアルロン酸はもともと人体に存在する物質ですが、まれにアレルギー反応を起こす方がいます。また、施術時の環境や術後のケアが不十分だと、感染症リスクも考えられます。

デメリットを回避するためのポイント

1.信頼できるクリニックを選ぶ

涙袋は他の部位と比べて失敗リスクが高い分、クリニックの選択が最も重要です。実績豊富な医師によるカウンセリング・施術を受けることで、リスクを最小限に抑えられます。公式サイトや口コミ、実際の症例写真などをしっかり確認し、納得したうえで受診するようにしましょう。

2.適切なヒアルロン酸の選択

ヒアルロン酸には多様な種類があり、粘度や粒子の大きさによって仕上がりや持続期間が異なります。あなたの肌質に合った製剤を選ぶことが大切です。

3.カウンセリングで不安を解消

目元は顔の印象を左右する大切な部位であり、術後のわずかな変化も気になる場所です。カウンセリングの際にダウンタイムや内出血の可能性、アフターケアの方法など不安を感じる点をしっかり確認しておくことで、納得した状態で施術に臨むことができます。

4.術後のケアを徹底する

施術後の腫れや内出血を軽減するために、施術当日から数日は過度な飲酒や喫煙、激しい運動を避けることが望ましいです。また、施術部位を強くこすったり触ったりするのは避けるようにしてください。万一異常が続く場合は、早めにクリニックで診察を受けましょう。

医師からのアドバイス

涙袋へのヒアルロン酸注入は、手軽に目元の印象を変えられる一方で、デメリットも少なくありません。とくに目元は日常的に人目につく部位であるだけに、失敗やリスクが生じた場合の精神的負担も大きくなりやすいのが現状です。
一度ヒアルロン酸を注入してから修正が必要になった場合、ヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)で修正を行うことも可能ですが、さらにコストと時間がかかります。施術前のカウンセリングで、施術の内容やダウンタイム、アフターケアについてしっかりと説明を受け、納得したうえで臨むことが大切です。

まとめ

涙袋ヒアルロン酸注入には確かに魅力的なメリットがある一方で、不自然なデザイン、内出血、感染症などのリスクが存在します。これらのデメリットを理解せずに安易に施術を行うと、不自然な仕上がりや思わぬ合併症が発生し、後悔につながる可能性があります。

大切なのは、事前の情報収集と信頼できる医療機関でのカウンセリング、そして適切なアフターケアです。涙袋のヒアルロン酸注入を検討されている方は、今回ご紹介したデメリットと対策をよく理解した上で、美容医療を安心・安全に活用していただければと思います。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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