ヒアルロン酸注入は動く?気になる原因から対処法まで医師が徹底解説

美容医療においてヒアルロン酸注入は、リスクが少なく手軽に顔の印象を変えられる施術です。一方で、施術後に「ヒアルロン酸が動いてしまうのでは?」「触ると移動する感じがある」といった不安や疑問を抱える方も少なくありません。今回は、ヒアルロン酸が動く原因やその対処法、施術後の注意点などを詳しく解説していきます。

ヒアルロン酸が動くことへの不安

「ヒアルロン酸を入れたら、思わぬところに広がってしまわないか」「横に流れて形が崩れたりしないだろうか」といった心配の声は非常に多く聞かれます。特に初めてヒアルロン酸注入を受ける方や、過去に注入して違和感を覚えた経験がある方は、施術後の状態が想定と違うのではという不安を抱きやすい傾向にあります。こうした不安の背景には、インターネット上での体験談や噂話が影響していることも少なくありません。

一方で、ヒアルロン酸の注入部位によっては、多少の柔らかさや可動性があるほうが自然な仕上がりにつながる場合もあります。そのため、「動き」の感じ方が悪い兆候なのか、それとも理想的な変化の一部なのかを正しく判断するためにも、ヒアルロン酸の特性や施術後の経過を知っておくことが重要です。

ヒアルロン酸はなぜ動くと感じるのか

ヒアルロン酸はもともと体内にも存在する成分であり、保水力が高い物質です。美容医療で使われるヒアルロン酸製剤は粘度や密度が異なるさまざまな種類があり、目的に合わせて最適な製剤を選択します。ただし、どの種類もゼリー状の物質であるため、ある程度の流動性があります。

1.注入直後の浮腫みや腫れ

注入した部位は、皮膚や組織が一時的に刺激を受け、むくみや腫れが生じることがあります。特に注入直後はヒアルロン酸がまだ安定しておらず、周囲の組織になじむ過程で位置がわずかに変化したり、触ると動くような感触が出ることがあります。時間の経過とともに腫れが引き、ヒアルロン酸が組織となじむことで動きは落ち着いてくるケースが大半です。

2.施術部位や製剤の性質

ヒアルロン酸を注入する部位によっても、動きの感じ方は異なります。

● 鼻や顎のように骨格の近くに打つ場合

密度の高い製剤を使うことが多く、比較的動きは少なく感じられます。

● 頬や目の下、口周りなど表情筋がよく動く部位

表情に合わせて微妙に動く感触が出ることがあります。むしろ適度な柔らかさがないと、表情との一体感を損ない不自然に見えることもあります。

3.マッサージや外からの刺激

施術後、過度にマッサージをしたり、不適切な圧力をかけると、ヒアルロン酸が部分的に広がったり寄ったりしてしまう可能性があります。ただし、クリニックによっては施術後すぐにマッサージを推奨する場合もあれば、逆に一切触らないよう指示する場合もあります。これは使用する製剤や注入層の深さなど、施術方法によって異なるため、事前に医師の説明をしっかりと聞きましょう。

ヒアルロン酸が動いたときの見分け方と対処法

1.本当に「ずれている」のかを見極める

鏡で見たときのバランスが大きく崩れていないか、触ったときに明らかな塊として移動していないかをまず確認することが大切です。注入直後のむくみや触感だけを根拠に自己判断してしまうと、正しいケアができない場合があります。

2.違和感が続く場合は医師に相談

「触ると痛みを感じる」「時間が経っても大きなしこりのように残る」「見た目が明らかに非対称になってきた」など、気になる症状が続く場合は、施術を受けたクリニックに相談してください。必要に応じて、ヒアルロニダーゼと呼ばれる分解酵素でヒアルロン酸を減らす処置を行うことで、形を整えられる場合もあります。

ヒアルロン酸施術後に押さえておきたいポイント

1.施術当日は強く触らない

多くのクリニックでは、施術当日は入浴やサウナ、激しい運動など血行を促進する行為を避けるよう指示します。同様に、強くマッサージしたり擦ったりすることも控えましょう。施術直後はヒアルロン酸がまだ安定せず、刺激で移動するリスクがわずかに高まります。

2.指示されたマッサージは適度に

医師の判断でマッサージを指示された場合は、時間や力加減、回数などを守って行いましょう。必要以上に行っても効果は高まらず、かえってヒアルロン酸が不自然に広がる恐れがあります。自己流で長時間マッサージをしないよう注意が必要です。

3.ダウンタイム中の経過観察

注入後の数日から1週間程度はむくみが引いたり腫れが落ち着いたりする期間にあたります。この時期に「少し動くかも」と思っても、焦って触りすぎると逆効果です。ダウンタイムを過ぎても違和感が続く場合や、局所的なしこりや強い痛みが出る場合は、クリニックで診察を受けましょう。

自然な仕上がりのために重要なポイント

1.カウンセリングで施術のイメージを共有する

施術前に医師としっかりコミュニケーションを取り、なりたいイメージや具体的な仕上がり像を共有することは非常に重要です。鼻や顎のように固めの製剤で“しっかり形を出したい”のか、頬や唇のように柔らかい製剤で“自然な動き”を重視したいのかによって、選ぶヒアルロン酸や施術方法は変わります。

2.施術者の技術と経験

同じヒアルロン酸製剤を使っても、施術者の経験や技術力によって仕上がりやヒアルロン酸の安定度は大きく左右されます。解剖学的に適切な層へ均一に注入するスキルがあれば、施術後にヒアルロン酸が極端に動くリスクは下がります。経験豊富な医師を選ぶのも、満足度を高める重要なポイントです。

3.術後フォローの体制

クリニックによっては、施術後に経過観察のための診察やアフターケアを細かく行っている場合があります。万が一ヒアルロン酸の移動や違和感があっても、迅速に処置やアドバイスを受けられる環境があると安心です。施術後のサポート体制を事前に確認しておきましょう。

まとめ

ヒアルロン酸注入後に「動いてしまうのではないか」という不安を抱く方は多くいますが、施術の性質上、ある程度の柔らかさや可動性は自然な仕上がりを得るために必要な場合もあります。大切なのは、術後に起こり得る経過を正しく理解し、医師の指示に従って適切にケアすることです。もし明らかな変形や痛み、しこりなどの症状が続く場合は、無理に自己判断せず、速やかにクリニックを受診しましょう。カウンセリングや施術者のスキル、そしてアフターケアの体制をしっかりと確認しておくことで、より安全で納得のいくヒアルロン酸施術を受けられるはずです。

ヒアルロン酸注入は、手軽さと即効性が魅力の施術ですが、正しい知識と信頼できる医師との連携があってこそ最大の効果を引き出せます。ヒアルロン酸が動くかどうかを過度に心配するよりも、自然な仕上がりを得るための知識と対策を身につけることで、安心して美しく前向きな毎日を送っていただけると思います。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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