加齢とともに目もとのボリュームが失われ、いわゆる「奥目」が目立ってくると、実年齢以上に疲れて見えたり老けた印象を与えたりすることがあります。そこで注目を集めているのが「奥目ヒアルロン酸」注入という治療方法です。本コラムでは、奥目の原因や特徴、ヒアルロン酸による治療法、メリット・デメリット、施術を受ける際の注意点などを、医師の視点から詳しく解説いたします。

奥目ヒアルロン酸が求められる背景
「奥目」とは、上まぶたや下まぶた周辺の脂肪や皮膚組織が減少することで、眼球部分がくぼんだように見える状態を指します。とくに年齢を重ねるにつれて骨格や眼窩脂肪の変化が進み、まぶたが薄くなったり、目のまわりのボリュームが減ったりするため、奥目が顕著になることがあります。
また、若い方でも生まれつき骨格が奥目気味であったり、ダイエットや体重の急激な増減で顔全体の脂肪が減少したりすると、目元のくぼみが強調される場合があります。こうした奥目は、クマやたるみが目立ちやすく、疲れた印象や老けた印象を与えてしまうため、多くの方が改善方法を探しています。その中でも、ヒアルロン酸注入による手軽かつ即効性のある治療が近年人気を集めています。
奥目の原因と特徴
原因
● 加齢による皮下組織の萎縮
年齢を重ねると、まぶた周辺の皮膚や脂肪組織が萎縮し、ハリが失われることで奥目が強調されます。特に日本人は欧米人より骨格的にまぶたが厚くない傾向もあり、加齢に伴う奥目が比較的早く進行しやすいと言われます。
● 先天的な骨格・脂肪分布
生まれつき骨格の奥行きが深い場合や、まぶたの脂肪が少ない場合に奥目に見えやすくなります。
● 生活習慣の影響
過度なダイエットや睡眠不足、長時間のPC・スマホ作業による目の酷使で血行不良が起こると、クマやたるみ、まぶたのボリュームダウンが進行しやすくなります。
特徴
● 目元がくぼんで見え、目の印象が暗くなりやすい
● クマやたるみが強調され、疲れ顔・老け顔の原因になる
● 若々しく明るい印象を保ちたい方にとって大きな悩みになりやすい
ヒアルロン酸注入による改善方法
ヒアルロン酸の特性
ヒアルロン酸はもともと体内にも存在する保湿成分の一種であり、適切に注入することでボリュームを補い、くぼんだ部位にふっくらとしたハリをもたらす効果が期待できます。顔のシワやたるみ改善のために頬や口元に使用されることが多い一方、奥目や目の下のクマの改善目的で注入するケースも増えています。
奥目ヒアルロン酸注入のアプローチ
● 目元周辺のくぼみや凹みに直接注入
上まぶたや下まぶた付近など、くぼみが目立つ部位に少量ずつ丁寧に注入します。これにより、くぼみの改善だけでなく、目元全体が明るい印象になります。
● 必要に応じた層での注入技術
眼輪筋の上や骨膜付近など、注入層を慎重に選択することで、自然な仕上がりと良好な持続力を得られます。医師の経験や技術が求められる部分です。
● 涙袋形成を同時に行う場合も
下まぶたの奥目改善と同時に、涙袋をふくらませて若々しく優しい印象を与えることも可能です。ただし、不必要な過度の注入は不自然な見た目に繋がるため、医師と十分に相談することが大切です。

ヒアルロン酸注入のメリットとデメリット
メリット
1.ダウンタイムが短い
施術当日から洗顔やメイクが可能な場合が多く、仕事や日常生活への影響が少ないです。
2.即効性が高い
注入直後からある程度の仕上がりを確認できるため、すぐに見た目の変化を実感しやすいです。
3.安全性が比較的高い
ヒアルロン酸は体内に存在する成分であり、アレルギー反応が起こりにくく、万が一の際に溶解注射で取り除けることが利点です。
4.調整が容易
施術後の経過を見ながら追加注入や溶解注射による修正が可能で、細かい微調整ができるのもメリットです。
デメリット・リスク
1.内出血や腫れ・浮腫み
目元周辺は血管が多いため、注射針の操作で一時的に内出血やむくみが起こることがあります。通常は数日から1週間程度で落ち着きます。
2.定期的なメンテナンスが必要
ヒアルロン酸の効果は永久ではなく、個人差はあるものの半年~1年程度で体内に吸収されてしまうため、効果を持続させたい場合は定期的な施術を検討する必要があります。
3.不適切な施術によるリスク
注入量や注入層の選択を誤ると、目元が不自然に盛り上がったり、血管を圧迫して重大なトラブルが起こったりするリスクがあります。信頼できる医師・クリニックを選ぶことが重要です。
施術の流れとダウンタイム
一般的な施術の流れ
1.カウンセリング・デザイン
医師による目の形や骨格、肌状態の診断を受け、注入量や注入位置を計画します。
2.麻酔・消毒
施術時の痛みを軽減するため、表面麻酔や冷却を行い、消毒を徹底します。
3.ヒアルロン酸の注入
細い針やカニューレを使用し、少しずつ奥目部分にヒアルロン酸を注入します。
4.仕上り確認・アフターケア説明
注入後の状態を確認し、必要があれば微調整を行います。術後の生活上の注意点やメンテナンスについての説明を受けます。
ダウンタイム
1.腫れや浮腫み
個人差はありますが、数日~1週間程度で落ち着きます。
2.内出血
出現した場合も同様に数日~1週間ほどで消退することが多いです。コンシーラーやアイメイクでカバー可能な場合が多く、日常生活に大きな支障はありません。
クリニック選びのポイント
1.実績と症例数
目元への注入は技術力が求められるため、多数の症例実績を持つクリニックや医師を選ぶと安心です。
2.カウンセリングの充実度
一人ひとりの骨格や肌状態に合わせて、適切な施術方針やリスクをしっかり説明してくれるかを確認しましょう。
3.アフターケア体制
施術後のフォローアップや相談への対応が整っているかも重要です。

施術を受ける前に知っておくべきこと
1.過度な期待は禁物
ヒアルロン酸注入は奥目を改善し、若々しい印象を取り戻すのに有効な手段ですが、骨格そのものを大きく変えることはできません。
2.施術後の腫れや浮腫みを考慮
イベントや旅行など大切な予定がある場合、余裕をもって施術日を設定することが望ましいです。
3.感染症やアレルギーのリスク
レアケースではありますが、感染症やアレルギー反応が起こる可能性もゼロではありません。施術前に十分なカウンセリングを受け、不安や疑問点を解消しましょう。
4.信頼できる情報収集が大切
クリニックの公式サイトや専門医のコラムなど、信頼度の高い情報源を参照することで、安心して施術を受ける判断材料が得られます。
まとめ
奥目ヒアルロン酸は、くぼんだ目元を手軽にふっくらとした印象に導く治療として、多くの方に注目されています。加齢による目元の印象変化や生まれつきの骨格による奥目が気になる方にとっては、即効性とダウンタイムの短さが魅力です。一方で、不適切な注入でトラブルが起きるリスクもあるため、医師の技術と実績、カウンセリングやアフターケア体制などを十分に確認することが重要です。
奥目の改善を目指す方は、まずは専門医に相談し、自分に合った施術プランを立てるところから始めてみましょう。正しい知識を持ち、信頼できるクリニックで施術を受けることで、より明るく若々しい印象の目元を手に入れることができます。