額へのヒアルロン酸注入のデメリットとは?医師が解説するリスクと対策

額のシワや凹凸を改善する方法として、ヒアルロン酸注入は多くの美容クリニックで行われています。手軽に受けられる施術でありながら、自然な若々しさを取り戻せるという点で注目されています。しかし一方で、メリットだけでなくリスクやデメリットを知りたいという方も少なくありません。実際に額へのヒアルロン酸注入にはどのようなデメリットがあり、どんなリスク対策が必要なのでしょうか。

本コラムでは、医師の視点から施術に伴うデメリットとリスク回避のポイントをわかりやすく解説していきます。施術を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ額へのヒアルロン酸注入が注目されるのか

額は加齢によりボリュームが低下し、骨格が強調されやすくなる部分です。いわゆる「額の老け見え」が気になりやすい箇所であり、以下のような悩みを抱える方がヒアルロン酸注入を検討する傾向にあります。

1.シワや溝が深い、あるいは骨格がはっきり見えて老けた印象を受ける

2.メイクや前髪で隠せず、写真映りが気になる

3.外科的な大きな手術は避けたいものの、負担の少ない施術で若々しい印象を手に入れたい

ヒアルロン酸注入はメスを使わないため、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。また、ヒアルロン酸自体は人体にある成分であり、安全性が高いと考えられています。こうしたメリットから、額へのヒアルロン酸注入は幅広い年代に支持されているのです。

額ヒアルロン酸注入の主なデメリット

1.仕上りが不自然になりやすい

額は顔のパーツの中でも立体感が重要な部位です。鼻筋やこめかみ、眉のアーチなどとバランスをとりつつ、自然な丸みをつくる必要があります。医師の技術やデザインのセンスが合わない場合、額が凸凹になったり、不自然に前に出たような仕上がりになるケースがあります。

また、ヒアルロン酸製剤の硬さや注入量も仕上がりに大きく影響します。硬い製剤を大量に注入すると、触ったときに違和感があったり、額が平らにならず局所的に盛り上がってしまうこともあるため注意が必要です。

2.ダウンタイムや腫れ、内出血のリスク

ヒアルロン酸注入はメスを入れない施術ではありますが、針やカニューレを用いるため、内出血や腫れが生じる可能性があります。額は皮膚が薄く血管が発達しているため、ほかの部位に比べて内出血が起きやすいという特徴があります。

通常は1~2週間ほどで内出血が落ち着きますが、体質や生活習慣によっては長引くこともあります。ダウンタイムが短めとはいえ、イベントなどの予定がある場合は余裕をもって施術を受ける計画を立てたほうが安心です。

3.長期的なメンテナンスコスト

ヒアルロン酸は体内に吸収される性質を持っているため、一定期間が経つと効果は徐々に薄れていきます。そのため、効果を維持するためには定期的な施術が必要となります。継続的に治療を受けることを想定して計画を立てる必要があります。

4.血管塞栓などの重篤な合併症リスク

ヒアルロン酸注入で最も懸念されるリスクが、血管の閉塞(血管塞栓)です。万が一、ヒアルロン酸が血管内に入って詰まってしまうと、皮膚壊死や失明などを引き起こす可能性があります。額は太い血管や目につながる血管が走っている領域があるため、注入方法を誤れば深刻なトラブルにつながりかねません。

血管塞栓は頻度こそ低いものの、美容医療においては看過できないリスクです。もしトラブルが起きた場合は、早急に病院で溶解注射(ヒアルロニダーゼ)などの処置が必要になります。

デメリットを最小限にするためのポイント

1.クリニック・医師選びを慎重に行う

額の形状は人によって骨格や筋肉のつき方が異なるため、単純に“ヒアルロン酸を入れれば良い”というわけではありません。デザインのバランスを細かく見極め、適切な製剤を選択し、必要最小限の量を丁寧に注入する技術が求められます。

また、血管の走行や解剖学的知識も必要不可欠です。血管を避けて安全に注入できるかどうかは、医師の経験と技術によるところが大きいため、クリニックや医師選びは特に慎重に行いましょう。

2.カウンセリングで仕上りのイメージを共有する

カウンセリングの段階で、どのような額の形状を望んでいるかをしっかり伝えることが大切です。理想のデザインや注入部位、量などを具体的にすり合わせることで、仕上がりの不自然さや過剰な凸感を防ぐことができます。

施術経験の豊富な医師であれば、額周辺の骨格や表情の動き方、他のパーツとのバランスを見ながら的確なアドバイスをしてくれます。仕上がりイメージが共有できない場合は、再度じっくり検討することをおすすめします。

3.血管に配慮した注入方と緊急時の対応体制

血管塞栓などのリスクを回避するため、血管の位置に配慮した注入法(鈍針カニューレや血管走行の確認など)を行うクリニックを選びましょう。万が一トラブルが起きた際も、ヒアルロニダーゼの在庫や緊急対応が整っているかどうか事前に確認しておくことが重要です。

まとめ

額へのヒアルロン酸注入は、加齢によるシワや凹凸を改善し、短期間で若々しい印象を取り戻せる人気の施術です。しかし、仕上がりの不自然さや内出血・腫れ、血管塞栓のリスク、そして長期的なメンテナンスコストなど、デメリットやリスクも存在します。

大切なのは、事前にこれらのデメリットを理解したうえで、信頼できるクリニックや医師を選び、適切な施術を受けることです。カウンセリングで仕上がりのイメージを具体的に共有し、リスクに応じた対策がきちんと取られているかを確認することで、後悔の少ない施術結果を得やすくなります。
額のヒアルロン酸注入を検討されている方は、しっかりと情報収集を行ったうえで、納得できる施術へとつなげて頂きたいと思っています。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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