涙袋ヒアルロン酸注射で内出血はどのくらい起こる? 医師が解説するリスクと対策

近年、目元の印象を大きく左右する「涙袋」のボリュームアップを目的に、ヒアルロン酸注射を検討する方が増えています。一方で、施術による「内出血」のリスクやその確率を不安に思う方も少なくありません。実際に「ヒアルロン酸を注射してみたいけど、内出血したらどうしよう」「ダウンタイムは長いの?」といったご質問をいただく機会は多くあります。本コラムでは、涙袋ヒアルロン酸注射における内出血のメカニズムや起こりやすいタイミング、対策などを涙袋ヒアルロン酸専門医の視点からわかりやすく解説いたします。

涙袋ヒアルロン酸注射の概要

涙袋は、下まぶたの際にあるわずかなふくらみを指し、笑ったときにより強調されるのが特徴です。年齢とともに脂肪組織が痩せたり、肌のハリが失われたりすることで目立たなくなりがちですが、ヒアルロン酸を注入することで手軽にボリュームを持たせられます。涙袋にヒアルロン酸を注入すると、目元がやわらかく華やかな印象になるため、美容クリニックでも人気の施術です。

しかし、目元は血管が多く通る部位であり、さらに皮膚が薄いことから、他の部位に比べても熟練医の施術でないと、内出血が起こりやすいです。施術を受ける際は内出血のリスクを正しく理解したうえで、医師からの事前説明やアフターケアをしっかりと確認しておくことが大切です。

涙袋へのヒアルロン酸注射で内出血が起こる原因

内出血とは、血管が傷つくことで皮下組織に血液がにじむ状態を指します。目元周辺は非常に細かな血管が集まっているため、熟練医でないと、内出血するリスクがあります。また、施術時の注入箇所や使用する針(カニューレ)の種類、個々人の血管の走行や体質なども内出血の発生に影響します。

さらに、肌が薄い部分は出血した際に青紫色などの変色がより目立ちやすいため、涙袋において内出血を起こしてしまうと、目元にくまのように残ってしまうケースもあります。実際のところ、血管を完全に避ける為には高い技術力が必要な為、専門医でない施術を受けた場合、「少量の内出血は起こりうるもの」と考えていただいたほうが現実的です。

内出血の確率と実際の症状

ヒアルロン酸注射による内出血の確率は、クリニックや担当医の技術、患者さん個々の血管や皮膚の状態によっても異なります。ただし統計的には、涙袋への注射で内出血が生じる人は「数%から数十%程度」という幅をもって報告されることが多いです。どの部位に注射しても内出血のリスクはありますが、前述のとおり涙袋周辺は血管が多いため、施術者の技術力で差があります。

症状としては、青紫色や赤色の皮下出血が目元に広がり、見た目には「くま」のように見える場合がほとんどです。人によっては腫れやむくみも伴いますが、多くは1~2週間ほどで徐々に薄くなり、自然に消失します。まれに1か月近く跡が残る場合もありますが、ほとんどの場合、時間とともに回復していきます。

内出血を最小限に抑えるための対策

1.医師の技術と経験を重視する

目元の血管は個人差が大きく、解剖学的な知識と豊富な経験が欠かせません。涙袋へのヒアルロン酸注射に慣れた医師であれば、血管をできるだけ避けるための注入ルートを熟知しており、内出血のリスクは稀です。

2.カニューレの使用

通常の注射針よりも先端が丸いカニューレを使用する方法もあります。カニューレは血管を突き抜きにくいとされるため、内出血のリスク低減が期待できます。ただし、カニューレにもメリット・デメリットがあり、仕上がりの好みや施術部位によって使い分けられるのが一般的です。

3.施術前後の生活習慣に注意する

アルコール摂取や激しい運動、長時間の入浴など、体を温めて血流を促進する行為は内出血のリスクを高めます。施術前後はできる限りこれらを控え、血流が急激に増加しないように気を付けましょう。

4.事前に内服薬やサプリについて確認する

血行を促進するサプリメントや、抗凝固作用のある薬を服用している場合、内出血しやすくなる可能性があります。施術前に必ず医師へ申告し、指示を仰ぐことが大切です。

5.アイシングで対処する

施術直後に患部を軽く冷やすと、毛細血管の拡張を抑えて内出血を最小限に抑える効果が期待できます。ただし、強い圧迫はかえって刺激となる場合があるため、優しく行うことがポイントです。

内出血が起こってしまったときのケアと心構え

もし内出血が発生してしまっても、慌てずに以下のポイントを押さえて対応しましょう。

1.最初は冷やし、落ち着いてきたら温める

施術当日はアイシングで炎症を抑え、翌日以降は温めて血流を促し回復を早めるといった方法が一般的です。

2.コンシーラーやメイクでカバーする

色味が気になる場合は、肌にやさしいコンシーラーなどでカバーします。メイクによる刺激を避けるためにも、クリニックからの指示を守って行うようにしましょう。

3.焦らずに経過を観察する

内出血の多くは1~2週間程度で自然に消えていきます。あまりに長引くようであれば、施術を受けたクリニックに相談しましょう。

涙袋ヒアルロン酸注射を検討する方へのアドバイス

涙袋へのヒアルロン酸注射は手軽に目元の印象を変えられるため、魅力的な施術です。しかし、目元はデリケートな部位で、内出血や腫れ、左右差が気になるケースもあります。施術を検討する際は、以下の点をチェックしておくと安心です。

1.事前カウンセリングを丁寧に行う

自分の目元の悩みやゴールイメージをしっかりと医師と共有しましょう。内出血のリスクだけでなく、ダウンタイムや仕上がりの希望などを細かく伝えることが大切です。

2.クリニック選びで失敗しない

医師の実績やクリニックの評判をよく調べ、涙袋の施術経験が豊富な医療機関を選ぶことで、内出血や仕上がりリスクを最小限に抑えられます。

3.術後のフォロー体制を確認する

施術後に万が一トラブルがあった場合でも、適切に相談・対応してもらえるアフターケアが整っているかどうかを確かめましょう。

まとめ

涙袋にヒアルロン酸を注入することで、目元を明るく魅力的に演出できる一方、内出血のリスクは一定程度存在します。特に目元は血管が密集しており、肌も薄いため、専門医の施術でないと、他の部位より内出血が起こりやすい傾向があることを知っておきましょう。確率としては数%から数十%と幅がありますが、大半は1~2週間ほどで目立たなくなり、適切なケアを行えば問題なく回復します。

大切なのは、信頼できる医師による施術を受け、術後のアフターケアや生活習慣にも注意を払うことです。内出血が発生した場合でも、正しい対処をすれば大きなトラブルに発展することは稀といえます。心配な点があれば、遠慮なくクリニックへ相談しながら、美しく健康的な目元を手に入れましょう。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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