鼻根へのヒアルロン酸注入で失明リスクは防げる?安全性と正しい知識を医師が解説

近年、手軽さやダウンタイムの短さから、鼻根部分へのヒアルロン酸注入をはじめとする「プチ整形」が大変人気を集めています。しかしその一方で、ヒアルロン酸注入による失明リスクが取り沙汰され、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。特に鼻の根元(鼻根)への注入は、血管や神経が複雑に走行しているため、注意を要する部位として知られています。この記事では、鼻根へのヒアルロン酸注入で起こりうる失明のリスクや原因、リスクを回避するための対策、そして安全性を高めるためのクリニックの選び方などを解説します。安全で納得のいく施術を受けるために、是非最後までお読みください。

鼻根へのヒアルロン酸注入が人気の理由

日本人は鼻筋に高さが少ないと悩む方が少なくありません。メスを使う本格的な隆鼻術に抵抗がある方にとって、ヒアルロン酸による鼻根や鼻筋の形成は、「施術時間が短い」「ダウンタイムが短い」「気に入らなければ溶解剤で戻せる」というメリットが大きく、人気が高まっています。また、手術ではなく注入だけで鼻の印象を変えられるため、初めて美容医療を受ける方にも選択されやすい方法です。

一方で、鼻根は顔の中心に位置し、血管や神経が密集している要注意部位です。トラブルが起きた際の影響範囲が大きいことから、リスクを正しく認識し、慎重に施術を受けることが求められます。

ヒアルロン酸注入で起こりうる失明のメカニズム

鼻根へのヒアルロン酸注入で最も懸念されるリスクのひとつとして「失明」が挙げられます。ヒアルロン酸自体は本来、体内に存在する成分であり、安全性が高いとされています。しかし、注入時の針やカニューレが血管に誤って刺さり、**「ヒアルロン酸が血管内に入り込む」**と、周囲の血管を詰まらせる恐れがあります。特に鼻周辺から眼の奥の網膜へとつながる血管が閉塞すると、網膜に血流が届かず失明を引き起こす可能性があるのです。

以下に失明リスクが発生する主な要因をまとめます。

1.血管の複雑な分布

鼻根周辺には、眼球や脳へとつながる重要な血管が走行しています。

2.解剖学的知識の不足

術者が顔面の血管走行を正しく理解していないと、施術の安全性が下がる可能性があります。

3.圧力や注入速度の問題

早い速度・強い圧力で一気に注入すると、血管にヒアルロン酸が逆流しやすくなります。

こうしたリスクを十分理解した上で、注入技術だけでなく、解剖学的知識とリスク管理が徹底されたクリニックを選ぶことが大切です。

鼻根へのヒアルロン酸注入による失明を防ぐためのポイント

1. 信頼できるクリニック・医師を選ぶ

顔面の解剖学に精通した医師を見極めることは、失明リスクを回避するために重要です。ヒアルロン酸注入は「簡単そう」に見えて、実は高い技術と知識が求められます。クリニックの実績や医師の経歴、施術数などを調べてみましょう。さらにカウンセリングの際は、失明を含むリスクについてしっかり説明してくれるかも確認してみてください。

2.正しい注入方法の実践

カニューレ(先端が丸い特殊な注入針)を使用するなど、血管を傷つけるリスクを下げる方法を採用しているクリニックもあります。また、注入速度や圧力を適切にコントロールすることは大前提です。大量のヒアルロン酸を一度に注入するのではなく、少量ずつ様子を見ながら慎重に注入してくれる医師を選ぶと良いでしょう。

3.適切なカウンセリングとアフターケア

万が一、血管閉塞や視覚に異常が起きた場合、早期対処が視力回復のカギとなります。施術後にいつでも連絡が取れる体制があるか、クリニックが緊急時の対応をどのように考えているかを事前に確認しましょう。ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)の常備はもちろん、医療機関との連携体制もしっかり整っているかどうかが重要なポイントです。

施術を検討する際のユーザーのインサイト

多くの方が鼻根へのヒアルロン酸注入を検討するとき、以下のような不安や疑問を抱えています。

●「本当に失明することはあるのか?」

可能性はゼロではありませんが、適切な施術と管理体制がある医療機関を選べば極めて稀なケースです。

●「どのくらいの頻度で施術が必要なのか?」

ヒアルロン酸は時間の経過とともに体内に吸収されるため、半年から1年程度で効果が薄れます。ただし個人差があるので、定期的なメンテナンスを推奨します。

●「痛みやダウンタイムはどれくらい?」

針での注入時にチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔クリームや極細針を使用するケースも多く、術後のダウンタイムは比較的短いです。

●「費用が安いクリニックでも大丈夫?」

安さだけで選ぶのはリスクが高いです。医師の経験や緊急対応体制の有無などを総合的に判断しましょう。

こうした不安の根源には、「施術そのものの安全性」「医療機関の信頼性」が大きく影響しています。安心して施術を受けられるよう、アフターケアやリスクを説明してくださるクリニックを選びましょう。

リスクを最小限にするための具体的なステップ

1.十分な情報収集

公式サイトのコラムや医師のブログ、口コミなどを参考に、施術実績や医師の専門分野を確認しましょう。

2.カウンセリングで疑問をぶつける

失明を含めた合併症の説明をきちんとしてくれるか、疑問に丁寧に答えてくれるかを基準に、クリニックや医師を見極めてください。

3.複数のクリニックを比較検討

時間と手間はかかりますが、最低でも2~3か所でカウンセリングを受け、納得できるまで比較することをおすすめします。

4.万が一に備えた備蓄・連携体制の確認

緊急時にはヒアルロニダーゼの投与や速やかな医療連携が必要になります。対処マニュアルや実績が整備されているかを確認しましょう。

まとめ

鼻根へのヒアルロン酸注入は、手軽に鼻筋を通すことができる人気の施術ですが、失明という重大なリスクが取り沙汰されているのも事実です。ただし、医師が顔面の解剖学を十分に理解し、慎重に施術を行い、万が一のトラブルにも迅速に対応できる体制を整えているクリニックを選べば、そのリスクを極力抑えることができます。

施術を検討されている方は、まずは十分な情報収集を行い、不安や疑問を抱えたまま施術に踏み切らないようにしましょう。カウンセリングでしっかり納得がいくまで説明を受け、少しでも不安要素があれば、他のクリニックに相談してみるのも一つの手です。正しい知識を身につけた上で、安全かつ理想に近い施術を受けられることを願っています。

美容医療はあなたの容姿の悩みを解決し、自信を高めるための手段です。安心して施術を受けるためにも、リスクとメリットを正しく知り、信頼できる医療機関を選ぶことが何よりも大切です。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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