「ヒアルロン酸注入直後は大丈夫でも、帰宅後に突然皮膚が壊死したら?」
「痛みもないのに失明することがあるって本当?」
こうした不安は、いつから危険が始まるのかが見えないことが原因です。本稿では発症タイムラインと緊急対応の全てをまとめました。

血管閉塞は“秒単位”で始まる 2つの発症パターン
タイプ | 発症タイミング | 主症状 |
超急性型 | 注入中〜数分 | 激痛/皮膚の急な蒼白 |
遅発型 | 30分〜24時間 | チリチリ痛・斑状紫斑 |
Point:半数以上は“施術室で”発覚しますが、自宅で初発する遅発型も存在するため48時間はセルフモニタリングが必須です。
いつから何が起こる? 時間別チェックリスト
経過時間 | 皮膚サイン | 感覚サイン | 眼サイン |
0〜10分 | 蒼白・網状斑 | 刺すような痛み | まれにかすみ目 |
10〜60分 | 赤紫色の斑点 | ドクドク脈打つ痛み | 片目の視野欠損 |
1〜6時間 | 水疱・チアノーゼ | 感覚鈍麻 | 失明リスクピーク |
6〜24時間 | 黒色壊死 | 痛み消失 |

リスクを高める4因子
1.鼻筋・眉間など動脈密集部位への深部ボリューム注入
2.鈍針を使わず鋭針で血管を貫通
3.低粘度製剤を過剰注入し逆流
4.術者経験1年未満・救急体制の不備
90分以内が勝負 一次救命フローチャート
1.疑った瞬間に注入停止・吸引
2.ヒアルロニダーゼ大量投与(150〜300 U)
3.温罨法+マッサージで再灌流促進
4.アスピリン内服/ステロイド投与
5.眼症状なら直ちに眼科へ転送
発症後90分以内の溶解が組織壊死を劇的に減少させます。
血管閉塞を限りなくゼロへ クリニック選び3箇条
チェック | 理由 |
緊急薬常備(ヒアルロニダーゼ・アドレナリン) | 迅速投与で失明リスクを最小化 |
24時間連絡先と再診無料 | 遅発型に即応 |
年間症例数と合併症公開 | 経験値の裏付け |
不安別・安全ルート
不安内容 | 推奨行動 |
「初めてで怖い」 | 鼻・眉間以外の低リスク部位から少量トライ |
「仕事が忙しく即日復帰したい」 | カニューレ+低圧注入で内出血と閉塞を同時回避 |
「他院でしこり経験あり」 | 超音波診断→溶解→再注入を同一クリニックで |
心配な症状があった場合は、クリニックの早期相談が重要です。

セルフモニタリング48hチェック(Yes=1点)
・□ 施術部位が白く浮かび上がった
・□ ジンジンする痛みが波のように強弱
・□ 注入側の視界が一瞬暗くなった
・□ 皮膚温が左右で違う
・□ シートマスクでヒリヒリ増悪
合計1点でも要連絡。 迷ったら写真を撮り、担当医に即共有しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 施術直後は無症状でした。24時間以上経てばもう安心?
A.遅発型は最大48時間、まれに72時間で初発報告も。就寝前まで観察を続けましょう。
Q. 血管閉塞になったら必ず失明しますか?
A.眼動脈系が詰まったごく一部のケース。早期溶解と眼科受診で予後改善例多数です。
Q. 以前トラブルなくても次回は危険?
A.血管走行や注入層が変わるとリスクは残る。毎回“ゼロベース”で安全策をとる必要があります。
まとめ “いつから”を知れば恐怖は準備に変わる
ヒアルロン酸血管閉塞は発症タイミングが分秒〜24時間と幅広いものの、
・最初の色変化・痛みを逃さない
・90分以内にヒアルロニダーゼ
・48時間セルフ監視
という3ステップで重篤化を限りなく防げます。
「美しくなるための一歩を、人生を変えるリスクにしない。」
経験豊富な医師と二人三脚で、安心と結果を両取りしましょう。疑問があれば遠慮なくご相談ください。
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