「どのくらい腫れる?」「内出血は何日で消える?」「仕事やイベントに影響しない計画は?」——ダウンタイムの不安が解消されると、治療は一気に現実的になります。本稿では、公開情報と臨床の実感を合わせて、症状別の経過・部位別の違い・やって良いこと/ダメなこと・失敗を避ける設計まで、医師の立場でまとめました。

まず結論:ダウンタイムは「内出血の出方次第」
・腫れは少ないことが多い一方、内出血が出るかどうかで可視期間が変わります。一般に内出血は1週間〜10日前後で自然に解消します(個人差あり)。
・2〜3日は赤み・むくみが目立つ場合があり、内出血は1〜2週間見ておくと安心です。
・合併症として挙がるのは:内出血、腫れ、発疹、炎症、アレルギー等(稀)。いずれも適切な手技とアフターケアで多くはコントロール可能です。
48時間・1週間・10日の「現実的タイムライン」
・0〜24時間:軽い腫れ・赤み・ヒリつき。クーリングで軽減。当日メイク可とする情報もありますが、針孔が閉じるまでは清潔・低刺激を徹底しましょう。メイク可否は院の方針に従いましょう。
・2〜3日:赤み・むくみがほぼ目立たなくなるケースが多い。まれに点状の青あざ(内出血)が出現し始めることがあります。
・4~7日:多くの内出血はメイクでカバー可能に。1週間前後で落ち着いていくのが目安です。
・7~10日:ほとんどの内出血が解消。腫れが強く出た場合でも10日前後で引くことが一般的です。
ポイント:目立つ予定(写真撮影・登壇・挙式など)は初回施術の1〜2週間後以降に設定すると安全域が広く取れます。
部位別の“出やすさ”と見え方
・目の下/まぶた近接:皮膚が薄く血管も豊富。内出血しやすい一方、腫れ自体は軽い傾向。浅すぎ・入れすぎは白っぽい透けや凹凸の原因になるため、層と量の設計が生命線。
・口まわり・唇/首:動きの多さ・長さに応じて点在の青あざが散発的に出ることあり。必要量が増えると可視期間が延長しやすいです。
施術当日からの「やっていい/ダメ」の線引き
・当日OK:洗顔・シャワー・軽いメイク(院の指示に準拠)。こすらず清潔・保湿を優先。
・当日NG~48時間控える:飲酒/サウナ/激しい運動/喫煙(血流が増え内出血を助長)。強い圧迫やマッサージ。
※献血:ベビーコラーゲン後は献血NGの扱い。ヒト由来製剤であり安全性確保の観点から献血はできません(各団体基準に従う)。

ダウンタイムを最小化する“しのぶ皮膚科式”6か条
1.少量分割・段階設計:可逆性の観点から、一度に“やり切らない”。まずは0.1cc/数mm単位で微調整。
2.層の最適化:浅すぎ回避で透け・凹凸を予防。点在配置×低圧注入でなじみを高める。
3.針選択:極細針/カニューレを適宜使い分け、血管ヒットを回避。
4.予定最優先のスケジュール:初回はイベントの1〜2週間以上前に。
5.その日の肌に合わせる:むくみ・乾燥・炎症傾向が強い日は注入量を控えめに。
6.説明と同意:溶解不可である特性(ヒアルロン酸のようにヒアルロニダーゼで戻せない)を事前に共有。
リスクと対処の“現場感”
・内出血:まず冷却で血管収縮→24時間以降は温めで吸収促進というケアが紹介されています。色は1〜2週間で自然に退色するのが一般的。
・腫れ・血腫:血管ヒットで一時的なふくらみが出ることあり。圧迫は避け、経過観察。重い症状は受診を。
・アレルギー・炎症・発疹(稀):ヒト由来で低リスクとされますがゼロではありません。症状があれば受診。
ヒアルロン酸との“ダウンタイム比較”と賢い順序
・ヒアルロン酸:体積形成が得意。製剤や部位で腫れ方は変動、溶解でリセット可能。
・ベビーコラーゲン:薄い層の質感に強く、腫れは少なめだが溶解不可。
実務的には「形=ヒアルロン酸で土台→質感=ベビーコラーゲンで仕上げ」を数週ずらして行うと、安全性と完成度、そして「ダウンタイムの“分散”」が両立しやすいです。

症例タイプ別:現実的な“目安表”
・軽い“ちりめん・影”の目の下
仕事復帰:翌日〜2日
人前イベント:2週間あれば安心(内出血が出ても消えることがたいてい)。
・口元の細ジワ・唇の縦ジワ
仕事復帰:翌日〜2日
人前イベント:1週間
・首の横ジワ(長さがある)
仕事復帰:翌日〜3日
人前イベント:10日前後(長さに応じて青あざが散発しやすい)。
いずれも個人差があります。初回は広げすぎない(範囲・量)ほど予測が立ちやすく、見た目の波も小さく保てます。
受け手が今日からできるダウンタイム対策
・前日〜当日:十分な睡眠/塩分・アルコール控えめ/来院直前の激しい運動は避ける。
・直後〜48時間:こすらない・清潔・保湿。マスクは内側清潔/ベースメイクは薄め。飲酒・サウナ・激しい運動・喫煙は回避。
・色ムラカバー:黄みコンシーラーやコントロールカラーを点置き+薄伸ばし。
・再診の活用:2〜4週間後のなじみ確認で最小量の追い足し。これがやりすぎ防止とダウンタイム短縮に直結します。
よくある質問(当院で多い順)
Q1. どのくらいで“完成”ですか?
A1. 表面のなめらかさは直後〜数日で実感、1〜3か月でツヤ・ハリの底上げ。持続は数か月〜1年半が目安(個人差)。
Q2. 仕事はいつから?
A2. 多くは翌日〜2日で復帰可能。人前の予定は1〜2週間余裕を。
Q3. ダウンタイムを最小にするコツは?
A3. 少量分割・層の最適化・カニューレ選択。浅すぎ・入れすぎを避ける設計が最重要です。
Q4. 安全面が心配です。
A4. 公開情報でもリスクは内出血・腫れ等が中心。稀な反応を含め事前説明と術後の連絡体制を確認しましょう。
まとめ「最小量×段階施術」が、ダウンタイム最小の近道
ベビーコラーゲンのダウンタイムは短いのが基本。ただし内出血の出方で可視期間はぶれます。だからこそ一度にやり切らず、少量分割で層と量を丁寧に設計。イベントは1〜2週間余裕、当日の刺激行為は回避、2〜4週の再評価で最小追加、この4点でバレずに上質を実現できます。
気になる方は、是非、カウンセリングにいらしてくださいね。
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