ヒアルロン酸注入と糸リフトはどちらが先?施術の順番と効果を医師が徹底解説

近年、メスを使わない若返り施術として「ヒアルロン酸注入」と「糸リフト」が注目を集めています。これらはそれぞれアプローチが異なり、患者さんの希望や顔立ちによって組み合わせることでより高い効果が得られる場合があります。ただし、両方を検討する際に「どちらを先にやるべきか?」という疑問を抱く方は少なくありません。本コラムでは、医師の視点からヒアルロン酸と糸リフトの施術順番、そしてそれぞれの効果や注意点をわかりやすく解説します。

ヒアルロン酸注入と糸リフトの基本

・ヒアルロン酸注入とは

ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分で、水分保持能力が高く、皮膚に注入するとボリュームアップやシワの改善が期待できます。頬のコケやほうれい線、唇のボリュームアップなど、顔のパーツごとに目的に応じて使い分けられるのが特徴です。施術時間は比較的短く、ダウンタイムも少なめで、効果がすぐに実感できるというメリットがあります。

・糸リフトとは

糸リフトは、特殊な溶ける糸を皮下に挿入し、たるみを物理的に引き上げる施術です。近年では「PDO(Polydioxanone)」や「PCL(Polycaprolactone)」などの体内で徐々に吸収される素材が主流となっています。糸を挿入することでリフトアップ効果を得られるうえ、糸が溶ける過程でコラーゲン生成が促進され、ハリのある肌へと導く効果が期待できます。切開を伴わないため、こちらもダウンタイムが比較的短く、腫れや内出血などは個人差があるものの、メスを入れる手術に比べれば負担が軽いのが特徴です。

施術の順番はどう決める? 糸リフト先行 vs. ヒアルロン酸先行

結論から言うと、施術の目的やデザイン、患者さんの顔立ちやたるみの度合いによって「どちらを先に行うのが適切か」は異なります。一般的には以下の二つのケースがよく検討されます。

1.糸リフトを先に行うケース

・たるみが強い方

頬やフェイスラインのたるみが顕著な場合、先に糸リフトでしっかりとたるみを引き上げて、ベースとなる土台を整えたうえで必要な箇所にヒアルロン酸を入れるほうが最終的な仕上がりが美しくなりやすいと考えられています。

・輪郭を主に修正したい方

糸リフトでリフトアップし、余分なゆるみを減らした後に、頬やこめかみなどへボリュームを補うほうが、自然なフェイスラインをつくりやすいです。

2.ヒアルロン酸注入を先に行うケース

・ボリュームロスが主体の方

たるみというよりは頬のこけや法令線など、骨格や脂肪組織の減少でくぼみが目立つ方の場合、先にヒアルロン酸でふっくらさせることで、どの程度リフトが必要かを正確に判断しやすくなります。

・リフトアップ効果よりも形の整え方を重視する方

目の下や口元のラインを先に整えることで、よりバランスのとれた自然なリフトアップ手技を検討できる場合があります。

組み合わせの相乗効果

ヒアルロン酸注入と糸リフトを同時期に行うことで、以下のような相乗効果が期待できます。

1.リフトアップ効果の底上げ

糸で引き上げた後、ヒアルロン酸でボリュームやラインをさらに整えることで、よりメリハリのある若々しい印象に仕上げることが可能です。

2.立体的なフェイスライン形成

日本人はもともと頬骨が高い位置にある方が多く、加齢とともに頬骨の下や目の下にたるみ・くぼみが生じやすい傾向があります。糸リフトによるリフトアップとヒアルロン酸によるボリューム補充を組み合わせると、正面・斜め・横とあらゆる角度から見ても、若々しく立体感のある顔立ちを実現できます。

3.ダウンタイムの効率化

タイミングやクリニックの方針によっては、同日に両方の施術を行うケースもあります。一度に施術を受ければ、腫れや内出血などのダウンタイムをまとめて過ごせる利点があります。もっとも、一度に施術する場合は負担が大きくなる可能性もあるので、施術の順番やタイミングを医師としっかり相談することが大切です。

注意すべきリスクや副作用

どの施術にもリスクや副作用は存在します。ヒアルロン酸注入では、内出血、腫れ、しこり形成などが起こる可能性があります。また、ヒアルロン酸の注入部位によっては血管に誤って入り、皮膚壊死や視力障害を引き起こすリスクがごく稀にあります。
糸リフトでは、糸の挿入口からの感染、内出血、糸の突起感、ひきつれなどが発生する場合があります。

いずれの施術も医師とのカウンセリングを通じて、適切なデザインや注入量、糸の本数、使用する糸の種類などを慎重に検討することが重要です。実績のある医療機関を選ぶことで、リスクを最小限に抑え、万が一トラブルが起きた際にも迅速に対応してもらえます。

医師からのアドバイス:施術順はオーダーメイド

ヒアルロン酸注入と糸リフトは、どちらが「絶対先」という明確な決まりはありません。大切なのは、患者さんそれぞれの希望や悩み、骨格や肌質にあわせた最適な組み合わせや順番を見極めることです。例えば、

「フェイスラインのたるみを先にしっかり引き上げたい」

・「頬のこけを先にふっくらさせて理想の輪郭を確認したい」

といった具体的なゴールを医師と共有し、それに基づいて施術プランを立てていきましょう。症例写真の確認やシミュレーションなどを併用することで、よりイメージに近い最終結果を得やすくなります。

まとめ

・糸リフトはリフトアップ、ヒアルロン酸はボリューム補正が得意分野。

・たるみが強い場合は糸リフト先行、ボリュームロス主体ならヒアルロン酸先行が一般的。

・同時施術も可能だが、タイミングやデザインの組み立ては医師と相談を。

ヒアルロン酸注入と糸リフトをどちらも検討している方にとって、「施術の順番」は大変気になるポイントです。まずはカウンセリングで悩みを具体的に共有し、医師の提案と自身の希望をすり合わせたうえで施術計画を組み立てることが理想的です。いずれの施術にもリスクや副作用は伴うため、十分な説明を受け、納得した上で進めましょう。自分に合った順番と方法で施術を行えば、より自然で美しい仕上がりを期待できます。

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この記事の監修者

しのぶ皮膚科 院長 蘇原しのぶ Shinobu Sohara

2003年に東海大学医学部を卒業し、北里大学病院皮膚科、獨協大学医科大学附属病院皮膚科を経て、2016年にヒアルロン酸専門クリニック「しのぶ皮膚科」(港区三田)を開業。皮膚科・皮膚外科歴22年。

「ヒアルロン酸小顔カスタマイズ」と名付けたヒアルロン酸注入法で、他院では難しいと言われた患者さまの悩みを改善し、ボリュームアップだけではなく骨格形成、自然な若返り、たるみあげなどを、ヒアルロン酸単独で行う独自技術を持つ。自然な若々しさと美しさを追求したデザイン力に定評があり、日本全国のみならず海外からの患者様も多く、リピート率は90%以上。難病の患者さんの顔痩せや怪我の修復にヒアルロン酸注入による往診を行っている。

略歴

  • 平成15年3月東海大学医学部卒業
  • 平成15年4月北里大学皮膚科
  • 平成18年獨協大学病院皮膚科
  • 平成28年しのぶ皮膚科開業
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